医局News

繁田先生が「鉛中毒」を報告しました。

10月14日(土)博多で開催された第54回日本消化吸収学会総会において、診断が難しい
「東京のガードマンの鉛中毒」を発表しました。
亜急性経過の腹痛に加え下肢脱力感あり、近医を受診され、胃カメラ、腹部US、CT、血液検査で異常がなく、症状が増悪するため、総合診療科に紹介となりました。大腸カメラを追加しましたが、異常所見認めませんでした。
繁田先生は、ビリルビン上昇や正球性貧血がみられることから、ポルフィリン症や鉛中毒を疑って、尿中δアミノレブリン酸(ALA)測定したところ、正常の80倍に達していることを明らかにしました。
血中鉛濃度も同様に正常の70倍以上でしたが、患者さんの職業は警備員であり、都内のマンションに住んでおり、原因は明らかではありませんでした。
同じ鉄筋コンクリートマンションの住人からも健康被害の報告はなく、有機溶媒や電池工場、建築現場での勤務経験はありませんでした。
一人暮らしであり、100円均一で購入した食器や調理器具の使用あり、皿を舐めるほど食事を大事にしていることを聞き出しました。
繁田先生はすべて新品に切り替えるようにお願いしたところ、血中鉛濃度は徐々に低下し、腹痛、貧血とも改善してきました。
丁寧な問診と柔軟な推論により診断に至った症例でした。まさに総合診療!という報告に、会場にいた先生方から賛辞が送られていました。
小医は博多まで、往復10時間を超える新幹線の旅でした。繁田先生の素晴らしい発表で、帰りは美味しいビールが進みました。ありがとうございます。
文責:瓜田 純久

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