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医局News

広報誌「おかげさん」に関する原稿を掲載させていただきました。

明けましておめでとうございます。
昨年も大変多くの皆様にご支援いただき、ありがとうございました。
今年も引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

当院広報誌「おかげさん」に当科での頭痛への取り組みに関する原稿を掲載させていただきましたので、こちらにも掲示させていただきます。
総合診療・急病センターにおける頭痛診療
〜致命的疾患の除外から片頭痛の最新治療まで〜
総合診療・急病センター 教授 佐々木 陽典

総合診療・急病センターは当院の入り口として、様々な頭痛の初期対応をしており、専門医と連携しつつ、緊急性の高い頭痛の迅速な診断から片頭痛や緊張型頭痛、更に低髄液圧症候群まで、幅広く頭痛の診療を行っております。

① 病歴聴取と画像診断を駆使して頭痛を的確に診断し患者さんに安心を届ける
頭痛のほとんどは生命や予後に影響しない良性疾患によるものです。しかし、危険な頭痛が隠れていることもあり、患者さんも「脳に何か異常があるのでは?」としばしば不安を抱えて受診されます。従って、片頭痛等のよくある頭痛の診療に精通しつつ、危険な頭痛の兆候を見抜いて鑑別診断を行い、患者さんに安心していただくことが当センターの責務だと考えております。頭蓋内出血、髄膜炎、巨細胞性動脈炎、脳動脈解離、可逆性脳血管攣縮症候群等の危険な頭痛から副鼻腔炎、後頭神経痛、緊張型頭痛、低髄液圧症候群等まで、様々な頭痛に対して特徴的病歴を手掛かりにした迅速で適切な診療に尽力しております。

② 未診断の片頭痛を拾い上げて新しい治療薬で寛解を目指す

片頭痛は最もよく見られる頭痛の一つですが、適切な診断を受けないまま苦しんでいる患者さんは少なくありません。当センターでは、頭痛で受診される患者さんにとどまらず、鎮痛薬使用歴の聴取を通じて未診断の片頭痛患者さんの拾い上げに努めています。また、当センターでは頭痛発作の治療のみならず、頭痛発作を月2回以下に減らせるよう予防にも注力しています。さらに2021年に登場したカルシトニン受容体関連ペプチド(CGRP)抗体製剤という特効薬を用いることで、発作ゼロを目指せるようになっています。

③ 低髄液圧症候群を診断し治療する(麻酔科ペインクリニックと連携)

低髄液圧症候群は、脳脊髄液が漏れることが原因で、立ったり座ったりすると悪化する「起立性頭痛」を引き起こす疾患です。「仕事や学校に通えなくなる頭痛」の原因の一つにもなり、診断されずに長年悩む方も少なくありません。当センターでは麻酔科ペインクリニックと連携して、この低髄液圧症候群の診療にも取り組んでいます。 
文責:佐々木 陽典

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大森病院 総合診療・急病センター

〒143-8541
東京都大田区大森西6-11-1
TEL:03-3762-4151(代表)