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当科若手医師による症例報告が学会誌に掲載されました

このたび、当科の若手リーダーとして日々診療・教育・研究を牽引している小松史哉先生が筆頭著者として執筆した症例報告が、日本病院総合診療医学会公式英文誌 Journal of Hospital General Medicine に掲載されました【J Hosp Gen Med 2026;8(2):83-88】。

論文タイトルは
“Immune checkpoint inhibitor–related myositis initially presenting with fever alone”
「発熱のみで発症した免疫チェックポイント阻害薬関連筋炎の一例」
です。

本症例は、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)投与後に発症した筋炎でありながら、初発症状が「発熱のみ」であった点が特徴的です。筋痛や嚥下障害といった典型的な筋炎症状は遅れて出現しており、当初は原因不明発熱(FUO)として精査が進められました。その後、MRI所見や臨床経過、各種鑑別の除外によりICI関連筋炎と診断され、速やかなステロイド治療により改善が得られました。

本症例は、ICI関連筋炎のような稀な免疫関連有害事象(irAE)が、非特異的な症状のみで発症しうることを示すとともに、「診断に至るまでの経時的な情報の蓄積」と「繰り返しの臨床評価」の重要性を強調するものです。特に、発熱というありふれた症候の背後に重篤な病態が潜む可能性を常に念頭に置く総合診療医の視点が、診断に大きく寄与した意義深い報告といえます。

さらに本論文では、腫瘍随伴筋炎とICI関連筋炎の鑑別に関する整理された比較表も提示されており、両者の臨床的特徴、発症時期、検査所見、治療反応の違いを体系的に理解できる実践的な内容となっています。この点も、本症例報告の学術的価値を一層高める重要なポイントです。

本研究成果は、日常診療の中での違和感や疑問を丁寧に追究し、学術的成果へと昇華させる当科の文化を体現するものです。小松先生のリーダーシップのもと、若手医師が主体的に学び、発信する好循環が生まれていることを大変誇らしく思います。

小松先生、このたびは誠におめでとうございます。今後のさらなるご活躍を心より期待しております。
MRI所見(○部分に筋炎を示唆する高信号域が認められます。) MRI所見(○部分に筋炎を示唆する高信号域が認められます。)
文責:佐々木 陽典

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