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東邦大学医療センター
大森病院 総合診療・急病センター

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第50回日本アルコール薬物医学会の報告

第50回日本アルコール・薬物医学会、第37回日本アルコール関連問題学会、第27回日本依存神経精神科学会の合同学術総会が、平成27年(2015年)10月11日(日)~10月13日(火)に神戸国際会議場にて開催され、これまでの動物実験の結果を発表してきました。

この学会は精神科、法医学、肝臓病学の研究に携わっている先生が多く参加するユニークな学会です。心理学者や矯正施設の方も参加され、来年から日本アルコール・アディクション医学会としてリニューアルされます。


いつものように、関西空港から高速船にのって、神戸港まで向かいました。快晴の神戸は涼風が心地よく、高速船はほぼ満員でしたが、とても快適でした。

本学会は東邦大学の精神科、衛生学教室が中心的な役割を演じてきており、名誉教授である大本美弥子先生そして故柴田洋子先生は学会会長も務められました。総合診療科の動物実験の指導をしてくれている今井常彦先生が学会誌の編集者として参加されており、東邦大学が貢献してきた学会と言えます。第2内科の安部井教授、その後の住野教授、そして総合診療科では杉本元信前教授が評議員を務めておられました。そのご縁もあって、総合診療科ではこの10年間、毎年演題を発表してきました。


今回は、アルコール摂取によって腸内細菌は変化するか、動物実験の結果を報告しました。非アルコール性肝硬変(NASH)では腸内細菌からのエンドトキシンが大量に肝臓に送られることが報告されていますが、これがNASHの結果であるのか、原因であるのか、これまで明らかではありませんでした。今回、適度な飲酒では腸内細菌は増加せず、むしろ減少することが明らかとなりました。詳しい結果は、論文に記載しますので、楽しみにしていてください。

アルコール疾患は総合診療において、避けられません。肝臓だけではなく、慢性膵炎、高血圧、心不全、神経疾患、精神疾患など、まさに総合的な対応が求められます。「自己責任」という逃げ道に安易に逃避せず、積極的に並存疾患の病態を検討できるのは、まさに総合診療医だと思います。

今年は大学と本学会に大きく貢献された柴田洋子先生が亡くなられました。東邦大学の歴史を守るためにも、これからもアルコール医学に取り組んでいきたいと思います。

文責 瓜田純久