2年前に東北医科薬科大学の入学式で、学長の高柳元明先生が「君たち100人は、全員総合診療医になってもらいます!」と訓示を述べているのを聞いて、感激のあまり身震いしたことを、昨日のことのように覚えています。
先日、東京駅丸の内中央改札口を出たときに飛び込んできたのが、「総合医」の文字でした。
2年前に東北医科薬科大学の入学式で、学長の高柳元明先生が「君たち100人は、全員総合診療医になってもらいます!」と訓示を述べているのを聞いて、感激のあまり身震いしたことを、昨日のことのように覚えています。
先日、東京駅丸の内中央改札口を出たときに飛び込んできたのが、「総合医」の文字でした。
体系を基礎から確実に積み上げる方法は、数学と共通する医学教育の古典的な考え方でした。しかし、多様化する学問体系を限られた時間で学修することは極めて困難です。一分野で大きく階段を登り体系を見渡すと、それまで違う領域に見えていた分野が、意外なほどの同じシステムで生命活動を営んでいることに気づきます。自分の専門領域のスキルが、他の領域でも十分に臨床推論を展開できることを発見できる場合があります。しかしながら、階段を上っても体系を見渡すマインドを持てない指導医は、極めて多い各分野の共通点を見逃してしまい、アルゴリズム、ガイドラインに頼る診療となってしまいます。
本学は私学であり、多くの卒業生が地域医療に戻っていきます。多くの診療科を有する大学病院ですが、見渡す謙虚さを持って診療、研究、教育を展開して生きたいと考えています。
「大学だから・・・」というフレーズは、診療の場で患者さんに投げかけるものではありません。自分の診療スキル、思考回路、学術的探究心にこそ「大学だから・・」と問いかけて研鑽していかなくてはなりません。
自治医科大学、東北医科薬科大学に続く、総合診療マインドの溢れる大学にしたいと、心から願っています。
文責: 瓜田 純久