救急医療にこそ求められる”全人的医療”を心がけています。

メディア掲載情報
関連リンク

【お問い合わせ先】

東邦大学医療センター
大森病院 総合診療・急病センター

〒143-8541
東京都大田区大森西6-11-1
TEL:03-3762-4151(代表)

10月19日(土)第31回日本超音波医学会 関東地方会で、小松史哉先生が「フラクタル次元を用いた甲状腺超音波像の検討」を発表しました。

10月19日(土)東京ビックサイトで開催された第31回日本超音波医学会 関東地方会で、小松史哉先生が「フラクタル次元を用いた甲状腺超音波像の検討」を発表しました。
フラクタル次元を用いた甲状腺超音波像の検討

1992年からはじまった伝統ある日本超音波医学会 関東地方会は、会員数が5100名を数え、全国規模と同等以上の学会です。今回は大橋病院放射線科の関口隆三先生が会長を務め、多くの先生がビックサイトに集結しました。私は青森で開業していましたが、超音波学会への思いが強く、第1回から参加させていただいております。
フラクタル次元を用いた甲状腺超音波像の検討

放射線科の関口先生はラグビー部の先輩であり、がんセンターで多くの業績をあげて本学に戻ってくれました。先輩の開催する学会に、何とか演題を出したいと考えていましたが、小松先生が学位論文を少し発展させて発表してくれました。
フラクタル次元を用いた甲状腺超音波像の検討

今回は一般演題であり、フラクタルの原理を聴衆に理解していただくには、短すぎました。小松先生も苦心のスライド作りでした。
フラクタル次元を用いた甲状腺超音波像の検討

それでも自治医大の先生から質問があり、小松先生は理路整然と答えていました。
フラクタル次元を用いた甲状腺超音波像の検討

超音波検査はとても魅力的なツールです。ではどれだけの大きさに反応して画像を結ぶのか、意外に理解されていません。高校生の時に学習した物理では、音速=周波数×波長 であることを思い出すことができます。この波長よりも大きいものに反応して、音源に音波が戻ってきます。音速は一定ですので、周波数を上げると波長が小さくなり、より小さなものを描出できることがわかります。

フラクタル次元は物差しが指数関数のため、掛け算を足し算に変換する対数グラフにすると、その次元は線形の直線で示すことができます。そのため、周波数、焦点深度、ゲイン、関心領域とプローブの距離に影響を受けることなく、次元を求めることができるため、使用した機種による違いは理論的にほとんど影響しないことになります。モニターの解像度も影響はありません。

フィードバック機構が生命維持の中心である生体では、多くの現象が周期的に出現し、初期値の変化によって思いがけない変化であるカオスを呈することもあります。周期的現象はフーリエの定理によって、シンプルな波形に集約され、周期関数はオイラーの公式によって、指数関数に変換されます。自己相似性を有する生体の物理的特徴を明らかにするフラクタル解析は、極めてシンプルであるがゆえに、生体の本質を浮き彫りにしてくれる手法です。総合診療における臨床推論にとって、極めて重要な思考回路であり、研究テーマは尽きない領域です。小松先生、本当にご苦労様でした。学位審査も頑張りましょう!

文責: 瓜田 純久