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東邦大学医療センター
大森病院 総合診療・急病センター

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JUGLERメンバーで佐賀に講演会+見学ツアーに行って参りました(2)

JUGLER佐賀ツアー2日目は佐賀大学総合診療部の朝のカンファレンスに参加させていただき、その後に、関連病院である富士大和温泉病院と祐愛会織田病院を見学させていただきました。

佐賀大学医学部附属病院総合診療部は数ある日本の国立大学病院総合診療部門の中で、1986年に最初に設置された歴史ある総合診療の古豪的存在です。
佐賀大学総合診療部の見学ではレジデントの先生が素晴らしいプレゼンテーションを行い、それに対して教授がいくつも鋭い指摘を投げかけ、多胡先生は退院後を含めた今後の診療方針について助言を与えており、伝統を感じさせる素晴らしいカンファレンスでした。

https://www.hospital.med.saga-u.ac.jp/hp/medicalcare/general/index.html

富士大和温泉病院は院内に温泉があり、山間にある穏やかな病院でしたが、患者数は多く、大変充実した研修が行えているようでした。佐賀大学総合診療科出身の常勤医による指導に加えて、医局から定期的に指導医が「訪問指導」に訪れて、実際にベッドサイドで一緒に回診・指導に当たるという素晴らしいシステムが構築されており、「指導医が出せないから関連病院での研修は困難」という先入観が打ち砕かれ、とても参考になりました。
後期研修医の先生が「大学病院では急性期治療をして転院させるまでがゴールだったけど、この病院で転院した後、退院した後や生活にまで継続的に関われることが研修の魅力」と語っていたことが印象的でした。

http://www.hospitalfj.saga.jp

JUGLERメンバーで佐賀に講演会+見学ツアーに行って参りました(2)
(院内の温泉施設の見学に向かう鋪野先生)

東邦大学総合診療科では、大学病院であっても円滑な転院が行えないケースが少なくなく、大学の中で「急性期治療—退院調整—退院後の診療」まで行なっているのが現状です。これはこれで、大学内で退院後の患者さんの生活まで意識した診療研修が行える環境とは言えるかもしれません。しかし、病院の性質上、退院後の診療の研修に向いているとは言えません。大学病院と市中病院が良好な関係で連携して研修が行える佐賀大学総合診療科の研修システムは理想的なモデルの一つであると再認識しました。
信頼できる指導医がいる関連病院と患者さんや研修医をやり取りできる安定的な関係を構築できていることからも、佐賀大学病院総合診療科の歴史の重みとを実感しました。

祐愛会織田病院は全国的に知られている先進的な病院であり、病床数111床と小規模であるにもかかわらず、地域の開業医の先生からの入院を絶対に断らない「オープン病床」システムを導入しています。その維持のために、入院診療とシームレスな退院直後の在宅診療や、IT技術を駆使して、患者さんの自宅を病室と見立てて、タイムリーできめ細やかな在宅診療を遂行するためのMedical Base Campによる質の高い医療を実践している素晴らしい病院でした。医療経済が厳しさを増すなか、民間病院でありながら「患者のためにいい医療を実践していれば、保険制度は後からついてくる」という崇高な理念を貫く病院の姿勢に感銘を受けました。
また、佐賀大学病院総合診療科は医師の派遣だけではなく、織田病院で実践されている先進的な取り組みを研究という形で発信することで病院の価値を更に高めており、まさに理想的な関係を構築していると感じました。

http://www.odahp.com

今回の見学の最も重要な点はJUGLERのメンバーと共に見学して意見交換できたことです。それぞれの先生方が活発に質問・議論され、その様子からもエネルギーとヒントをもらえました(和足先生のパッションがすごかったです)。移動中に私の愚痴を聞いてもらえたことも癒しになりました(笑)。

素晴らしい機会を与えてくださった多胡先生、山下教授、藤原先生、林田さん、織田先生、森先生、西先生、をはじめとした佐賀大学総合診療科、富士大和温泉病院、織田病院の皆様に心より感謝申し上げます。

文責: 佐々木 陽典