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大森病院 総合診療・急病センター

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伝染性単核球症の男女差に関する論文がJournal of Infection and Chemotherapyでオンライン掲載されました。

獨協医科大学埼玉医療センター准教授としてご活躍中の石井孝政先生と共著させていただいた研究論文(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7128249/pdf/main.pdf)を事後解析(Post hoc analysis)した論文が以前の研究と同様に日本感染症学会/化学療法学会の公式英語雑誌Journal of Infection and Chemotherapyにオンライン掲載されました。
正式掲載は先になりますが、無料で入手可能ですので、ぜひご覧ください。

オンライン掲載

本論文は前回の論文で利用した伝染性単核球症のデータの中からEpstein-Barr virus感染症に着目して、男性患者さん56名と女性患者さん66名の年齢、症状、診察所見、検査データ等の臨床的特徴にどのような差があるかについて追加的に検討した研究です。

単変量解析の結果として、

  • 男性の方が罹患年齢が高い(年齢中央値 男性26歳 vs. 女性22歳)
  • 男性の方が頭痛を訴える患者が多い(男性25.0% vs. 女性10.6%)
  • 女性の方が眼瞼周囲浮腫を認める患者が多い (男性3.6% vs. 女性18.1%)
  • 男性の方が白血球数が多い (男性11,400/mm3 vs. 女性9,400/mm3)
  • 女性の方が顕著な肝酵素上昇を来す

ことが示されました。

この結果を参考に行った多変量解析(ロジスティック回帰分析)では、

  • 年齢>30歳
  • 頭痛
  • 白血球増多(>11,000/mm3)
の3つの要素が男性に有意に多い臨床的特徴として示されました(下図)。

多変量解析では有意差が示されませんでしたが、個人的には、古い文献で示されてきた眼瞼周囲浮腫が、特に女性患者では診断に有用な診察所見である可能性が示された点が、この論文の面白い点の一つではないかと思っております。

この論文も前回に引き続き、臨床研究デザインを勉強させていただいたi-HOPEの福原俊一先生が常々仰っていた「コホートは一粒で何度も美味しい」を実践できた論文であり、また、石井先生が収集されたデータを活用して共著させていただいた論文としても、私にとっては大変貴重な論文となりました。

ご指導いただいた皆様、ご査読いただいた先生方に改めて感謝申し上げます。


文責: 佐々木 陽典