腎細胞がん(ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術についての説明)
腎腫瘍(腎細胞がん)の治療
腎細胞がんが疑われる腎腫瘍の標準治療は手術摘除であり、転移のない腎細胞がんの場合、手術摘除により根治の可能性があります。
最近では小径(4cm以下)の腎腫瘍に対しては腎機能の温存を目的として腫瘍部分だけを切除する腎部分切除術が一般的となり、本邦、欧米の治療ガイドラインでも推奨されています。
4cm以下の腎細胞がんの場合、手術摘除で根治することがほとんどですが、再発の可能性が数%あり、これは全摘術と部分切除術で同等といわれています。
一般的に腎部分切除術では一時的に腎動脈を遮断し腫瘍の切除と切除部の縫合を行います。
腎部分切除術には腹部を大きく切開して行う開腹手術と、二酸化炭素で気腹し4~5か所の小さな穴から手術器具(カメラ、鉗子など)を腹腔内へ入れ手術を行う腹腔鏡下手術があります。
腎摘除術か腎部分切除術かの選択、手術方法の選択は腫瘍の大きさに加え、年齢、腫瘍の位置、腎機能、腹部手術の既往などを総合的に検討し判断します。
最近では小径(4cm以下)の腎腫瘍に対しては腎機能の温存を目的として腫瘍部分だけを切除する腎部分切除術が一般的となり、本邦、欧米の治療ガイドラインでも推奨されています。
4cm以下の腎細胞がんの場合、手術摘除で根治することがほとんどですが、再発の可能性が数%あり、これは全摘術と部分切除術で同等といわれています。
一般的に腎部分切除術では一時的に腎動脈を遮断し腫瘍の切除と切除部の縫合を行います。
腎部分切除術には腹部を大きく切開して行う開腹手術と、二酸化炭素で気腹し4~5か所の小さな穴から手術器具(カメラ、鉗子など)を腹腔内へ入れ手術を行う腹腔鏡下手術があります。
腎摘除術か腎部分切除術かの選択、手術方法の選択は腫瘍の大きさに加え、年齢、腫瘍の位置、腎機能、腹部手術の既往などを総合的に検討し判断します。
ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術
今回予定しているロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術は腹腔鏡下腎部分切除術を手術支援ロボット(da Vinci Surgical System)を用いて行う手術です。
本邦では2016年4月から保険適応となっています。
腹腔鏡下腎部分切除術は開腹手術に比べ傷が小さく低侵襲ですが、腹腔鏡下に腫瘍の切除、切除部の縫合を行うため比較的難易度の高い手術とされています。ロボット支援手術では腹腔鏡手術と同様に気腹を行い小さな穴から手術器具を挿入して手術を行いますが、3D画像による良好な視野と自由な鉗子の操作性により腹腔鏡手術では難易度の高かった操作がより確実、安全に施行できます。
本邦では2016年4月から保険適応となっています。
腹腔鏡下腎部分切除術は開腹手術に比べ傷が小さく低侵襲ですが、腹腔鏡下に腫瘍の切除、切除部の縫合を行うため比較的難易度の高い手術とされています。ロボット支援手術では腹腔鏡手術と同様に気腹を行い小さな穴から手術器具を挿入して手術を行いますが、3D画像による良好な視野と自由な鉗子の操作性により腹腔鏡手術では難易度の高かった操作がより確実、安全に施行できます。
当院でのロボット支援手術
当院では2013年にda Vinciを導入し、ロボット支援前立腺全摘術を開始しています。
ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術は2016年から開始しています。
ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術はDa Vinci Surgical System使用のためのIntuitive Surgical社による認定ライセンスと、泌尿器内視鏡学会の泌尿器腹腔鏡技術認定を受けた医師が行います。
ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術は2016年から開始しています。
ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術はDa Vinci Surgical System使用のためのIntuitive Surgical社による認定ライセンスと、泌尿器内視鏡学会の泌尿器腹腔鏡技術認定を受けた医師が行います。
ロボット支援手術の有用性
高解像度3D視野と先端に関節のある自由度の高い鉗子を用い、鏡視下での切除、縫合といった手術操作をより正確、安全に行うことができると考えられています。
腎部分切除術においては腫瘍の正確な切除、出血量の減少、腎動脈遮断時間の短縮や、腹腔鏡手術では部分切除が困難な腫瘍への適応の可能性が期待されています。
腎部分切除術においては腫瘍の正確な切除、出血量の減少、腎動脈遮断時間の短縮や、腹腔鏡手術では部分切除が困難な腫瘍への適応の可能性が期待されています。
手術の方法
- 全身麻酔にて行います。
- 尿道から内視鏡下に尿管カテーテルを挿入します。(必要時)
- 体位は患側を上にした側臥位とします。
- 腹部に手術器具(カメラ、鉗子など)を入れる1-2cmの穴を5-6個あけます。
- 二酸化炭素で腹腔内を膨らませます(気腹)。
- 腎臓の周囲を剥離し、腎動脈を確認し遮断できるよう剥離します。
- 腫瘍部を超音波で確認します。
- 腎動脈を遮断し、腫瘍を切除(周囲に正常部分をつけて切除)。
- 尿路の閉鎖、止血のために切除部分を縫合します。
- 腎動脈の遮断を解除し、血流の再開と止血を確認します。
- 切除した腫瘍を小さな袋に入れ、体外へ取り出します。
- 再度止血を確認し、貯留液を体外へ排出するための管(ドレーン)を留置します。
- 腹部の穴を縫い合わせ手術を終了します。
- 尿管のカテーテルは手術終了後に抜去します。
術後経過
- 術後の管理、経過観察は腹腔鏡下腎部分切除術と同様になります。
- 術後は点滴、尿道カテーテル、ドレーンなどのチューブが体につながっています。
- 腸の動きがよければ翌日から飲水を開始し、問題なければ食事もはじまります。
- 状態がよければ歩行は翌日から開始し、歩行可能であれば尿道カテーテルを抜去します。
- 点滴、ドレーンは採血結果、画像検査や全身の状態をみて順次抜去しますが、場合により抜去まで時間がかかることがあります。
- 術後経過によりますが1週間から10日程度で退院となります。
- 経過には個人差があり、また術後合併症が生じた場合には入院の延長、治療の追加が必要となることがあります。
- 退院後は通院にて術後の晩期合併症、転移、再発のチェック、腎機能など経過観察を行っていきます。
- 切除した腫瘍の組織検査の結果により追加治療の要否を検討します。
- 転移、再発をきたした場合、追加治療(手術、薬物、放射線治療など)を検討します。