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第21回 生化学セミナー

 
第21回 生化学セミナー
日時:2019年6月26日(水曜日)
18:00 – 19:30
場所:東邦大学医学部3号館地下1階
第3講義室



小松 雅明 先生
順天堂大学大学院医学研究科
器官・細胞生理学(生理学第二) 教授
「選択的マクロオートファジー:分子から生理機能まで」

オートファジーを担う経路は複数存在するが、そのうちの1つマクロオートファジーの研究が、大隅良典博士らの出芽酵母を用いた先駆的な研究、すなわち出芽酵母マクロオートファジーの発見とそれを制御するATG(AuTophaGy)遺伝子の同定により飛躍的に進んだ。ATG遺伝子群の多くは真核生物に広く保存されているため、逆遺伝学的手法を用いてマクロオートファジーの基本的生理機能、例えば、飢餓適応、発生、タンパク質・オルガネラ恒常性、細胞内病原体分解などが明らかにされてきた。さらに神経変性疾患やがんとの関連も注目されるようになった。一方、マクロオートファジーの研究が進むにつれて、従来の概念を超える多様性の存在、例えばマクロオートファジーの選択性などが明らかになってきた。さらに、マクロオートファジーが遺伝情報の維持機構、分化や環境変化に伴う細胞制御、幹細胞の維持・分化、さらには老化制御といった生命の根幹に関わる事象に深く関与することも判明しつつある。本演題では、p62/SQSTM1をモデル基質とした選択的マクロオートファジーの分子機構および膜動態、そして最近見出した選択的マクロオートファジーによる細胞内代謝制御について発表したい。

References
1. Saito, T. et al., Autophagy regulates lipid metabolism through selective turnover of NCoR1. Nat Commun 10:1567 (2019)
2. Saito, T. et al. p62/Sqstm1 promotes malignancy of HCV-positive hepatocellular carcinoma through Nrf2-dependent metabolic reprogramming. Nat Commun 7: 12030 (2016)
3. Ichimura, Y. et al. Phosphorylation of p62 activates the Keap1-Nrf2 pathway during selective autophagy. Mol Cell 51: 618 (2013)
世話人:中野 裕康(生化学)(内線2355)

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