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肺高血圧症

疾患の概要

 肺高血圧症は、心臓から肺へ向かう血管である肺動脈の血圧が高くなる病気です。多くは、微小な肺動脈がリモデリング(血管壁が厚くなること)を起こし、肺への血流が悪くなることで起こります。肺高血圧症になると、肺からの酸素の取り込みが悪くなり、息切れや呼吸困難といった症状が出現します。また、肺に血液を送り出す右心室に負担がかかり右心不全を起こすと、息切れの悪化、足のむくみ、倦怠感、失神などの症状が出現することがあります。原因不明の場合や遺伝性の場合もありますが、膠原病、呼吸器疾患、肝疾患など多岐にわたる疾患に伴って発症します。確定診断が難しく、未治療では重症化する可能性があるため、早期診断・早期治療が重要です。

診断と治療

 肺高血圧症の診断は難しく、原因不明の息切れの鑑別疾患に挙げることが重要です。診察所見、心電図、胸部レントゲン、心臓超音波検査などでスクリーニングを行い、診断には右心カテーテル検査が必要となります。当科では、超音波など外来でのスクリーニング検査に力を入れており、肺高血圧症の早期診断に努めています。確定診断のための右心カテーテル検査は原則として2泊3日の入院で行います。右心カテーテル検査は、一般的には首や鼠径部の血管からカテーテルという細い管を右心室や肺動脈まで挿入して行います。当科では、可能な方には肘の静脈から挿入するなど、負担の少ない検査を心がけています。
 肺高血圧症の治療は、酸素療法と内服の肺血管拡張薬によるが主体となります。肺高血圧症は国の定める難病指定疾患で治療費も高額となりますが、難病申請することで国から医療費の補助を受けることができます。重症な方は、より強力な肺血管拡張薬の静注療法や肺移植が必要となる場合があり、その場合は専門施設へ紹介させて頂きます。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH、シーテフ

 当科では特に、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の治療に力を入れています。慢性化した血栓(血の塊)が肺動脈を閉塞させ、肺高血圧症を起こす病気です。肺血栓塞栓症(静脈血栓症のページも参照ください)からの慢性化の方が半数以上ですが、原因不明の場合もあり、他の肺高血圧症と同様に診断に苦慮する場合が多いです。原因不明の息切れや、肺血栓塞栓症の既往のある方の息切れの際に鑑別疾患い挙げることが重要です。
 CTEPHは未治療では予後が悪く、開胸手術により血栓を取り除く外科的治療が標準治療とされています。近年、肺の血流を改善させるカテーテル治療(balloon pulmonary angioplasty: BPA)が日本を中心に発展し、新たな治療の選択肢として確立されました。治療は、局所麻酔で足の付け根や首の静脈から、カテーテルを肺動脈まで挿入して行います。複数回に分けて治療を行う必要がありますが、低侵襲治療であるため体への負担は少なくて済みます。以前はBPAを受けるために都内の専門病院まで行く必要がありましたが、千葉県でも当院で質の高いBPA治療を受けることが可能となりました。

入院生活の流れ

 当院では、BPAの際に下記のようなクリニカルパスを使用しています。多くの場合、1回のBPAにつき3泊4日のスケジュールで入院加療を行っています。また、一人の患者さんにつき、およそ4~6回のBPAが必要となります。

文責:佐藤修司

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
佐倉病院 循環器内科

〒285-8741
千葉県佐倉市下志津564-1
TEL:043-462-8811(代表)