下肢閉塞性動脈硬化症
疾患の概要
下肢閉塞性動脈硬化症とは、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙などで進行する下肢の動脈硬化疾患です。動脈硬化で足の血管が閉塞し、足への血流が低下することにより、足の冷感、痛みや、壊疽に陥ることもある疾患です。そのまま放置すると足の切断を余儀なくされる恐れがあります。足の痛みで内科を受診されることは少ないため、診断が遅れてしまうことがしばしばあります。特に、ご高齢の方、透析をされている方で足が冷たいと感じたり、歩行時にふくらはぎが張ったり、痛みを感じたりすることで長距離歩行ができないようでしたら医療機関の受診をご検討ください。
診断と治療
この疾患は、 Fontaine分類という重症度分類があります。
これらの症状がありましたら、まずかかりつけの先生に相談しましょう。診察では、視診やドップラー聴診、動脈の触診を行います。足の甲の動脈が、触れなくなっている場合にはかなり血流が低下している可能性があります。当院では、足首と上腕の血圧を同時に測定して比をみる「足首上腕血圧比:ABI」をまず行います。足首の血圧が上腕の90%未満(ABI0.9未満)の時に、下肢閉塞性動脈硬化症の診断になります。続いて、下肢動脈エコー、CT, MRIなどの検査を行い足のどの血管が原因となっているかを判定します。
治療は、まず血圧やコレステロール、血糖などのコントロールに加え、禁煙が非常に重要です。また、運動療法として、歩行が重要です。痛くなるまで歩いて休み、再びまた歩くことを繰り返すことで細かい血管の発達を促します。
近年、血管内カテーテル治療(EVT: endovascular treatment)の進歩が従来では対応困難であった病変の治療を可能としました。特に当科ではこのEVTに力を入れております。
治療は、まず血圧やコレステロール、血糖などのコントロールに加え、禁煙が非常に重要です。また、運動療法として、歩行が重要です。痛くなるまで歩いて休み、再びまた歩くことを繰り返すことで細かい血管の発達を促します。
近年、血管内カテーテル治療(EVT: endovascular treatment)の進歩が従来では対応困難であった病変の治療を可能としました。特に当科ではこのEVTに力を入れております。

EVT以外にも薬物療法、和温療法、透析を用いた悪玉コレステロール吸着療法(レオカーナ®)、外科治療(バイパスなど)など、症例毎に最適な治療法を検討し、可能な限り下肢切断を回避する努力をしています。潰瘍や壊死を来している場合には、皮膚科や形成外科、整形外科と連携して治療を行なっております。
入院生活の流れ
EVTクリニカルパス例

EVTは上記のようなクリニカルパスを用いて入院にて行われます。局所麻酔なので、負担は少なく、術中に会話も可能です。手術時間は、治療部位・難易度次第ですが、30分~4時間程度です。入院期間は経過によりますが3泊4日が標準です。
EVT外来のご案内
当科では、EVT外来を窓口としておりますが、毎日の循環器内科外来でも対応しております。お気軽にご相談ください。
外来受付:
EVT外来(専門外来)
外来日 :
月曜日 14:00~循環器内科 飯塚医師
水曜日 09:00~循環器内科 美甘医師
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EVT外来(専門外来)
外来日 :
月曜日 14:00~循環器内科 飯塚医師
水曜日 09:00~循環器内科 美甘医師
文責:美甘周史