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静脈血栓症

疾患の概要

 血管には、動脈と静脈という二種類の血管があります。静脈血栓症(VTE)は、静脈に血栓(血の塊)ができる病気の総称です。下肢などの静脈にできる深部静脈血栓症(DVT)と、DVTが肺に移動して生じる肺血栓塞栓症(PTE)に大別されます。手術やギブス固定による安静が危険因子となり、車や飛行機などでの長時間の移動に伴って起こることも多く、エコノミークラス症候群とも呼ばれています。最近では、癌に伴って発症する方も増えています。特にPTEとなった場合には重篤となることがありますので、早期診断・治療が重要です。

診断と治療

 DVTは片側の下肢に生じることがほとんどで、下肢の浮腫や痛みなどが出現します。多く場合、静脈超音波検査で診断が可能です。治療は血栓を溶かすための抗凝固療法が主体となり、多くの場合は内服薬で治療が行われます。
 PTEは突然の息切れ、呼吸困難で発症する場合が多く、救急での対応が必要となることが多い疾患です。突然、状態が悪化する場合もありますので、原則として入院加療で対応しています。抗凝固療法、酸素療法などが治療の主体となりますが、重篤な場合には集中治療室での循環・呼吸管理が必要となる場合があります。
 PTEが慢性化したものに慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH、シーテフ)があります。原因不明の息切れの中に隠れていることが多く、国の定める難病指定疾患です。抗凝固療法だけでは慢性化した血栓を溶かすことはできず、外科的手術やカテーテル治療が必要となります。当院では、特にカテーテル治療に力を入れており、良好な治療成績が得られています。詳しくは、肺高血圧症のページを参照ください。

入院生活の流れ

 当院では、全国に先駆けてVTE治療のクリニカルパスを導入しています。入院期間は7日〜10日程度で、実際のクリニカルパスは以下のようになります。

文責:佐藤修司

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
佐倉病院 循環器内科

〒285-8741
千葉県佐倉市下志津564-1
TEL:043-462-8811(代表)