結腸・直腸の病気

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炎症性腸疾患

炎症性腸疾患の外科治療を確かな専門性で支える

炎症性腸疾患の外科治療の特徴

当科は潰瘍性大腸炎およびクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の外科治療において、千葉県内の中核的役割を担っています。内科的治療の進歩を踏まえつつ、「いつ、どのような手術が最も患者さんに利益をもたらすか」を重視した外科治療を行っています。

消化器内科との緊密な連携

当科では消化器内科と密接に連携し、治療経過、病勢、患者背景を総合的に評価したうえで、手術適応や術式を慎重に検討しています。内科治療から外科治療への移行が必要な患者さんに対して切れ目のない診療体制を構築しています。

低侵襲手術への積極的な取り組み

潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘術、クローン病に対する腸管部分切除術や狭窄形成術など、炎症性腸疾患に対する各種手術において、可能な限り腹腔鏡手術を導入し低侵襲化に努めています。炎症や癒着の程度、既往手術歴などを考慮しながら、安全性を最優先にした術式選択を行っています。
特にクローン病では、繰り返す手術が予想される疾患特性を踏まえ、低侵襲性による癒着軽減を重要視しています。

潰瘍性大腸炎に対する外科治療

潰瘍性大腸炎に対しては、年齢、病勢、肛門機能、社会背景などを踏まえ、合併症リスクと機能温存のバランスを重視し、回腸嚢肛門吻合術(IAA)、回腸嚢肛門管吻合術(IACA)、永久回腸人工肛門など、患者さん一人一人に適した術式を選択しています。
潰瘍性大腸炎に対する主な術式 (「潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針」より引用)

クローン病に対する外科治療

クローン病の外科治療においては、「切除を最小限に抑え、腸管機能を温存すること」を基本方針としています。
病変部位、範囲、既往手術歴を踏まえ、腸管部分切除術と狭窄形成術を適切に組み合わせています。特に若年発症例や再発リスクの高い症例においては、短腸症候群を回避するための腸管温存戦略を重視しています。また、術後再発率が高い疾患であることから、当科では術後再発を見据えた内科治療との連携を前提に外科治療を位置づけています。

ロボット支援手術の導入と意義

当科では、潰瘍性大腸炎に対する外科治療において、適切な症例を選択したうえでロボット支援手術を導入しています。骨盤深部操作において、ロボット支援手術は安定した視野、精緻な操作性、術者疲労の軽減といった利点を有し、特に肥満症例など骨盤操作が難しい症例において有用性が期待されます。
長年の腹腔鏡手術で培った知見を基盤に、低侵襲性と安全性の両立を目指しています。

肥満症を合併したIBD症例への専門的対応

当院は肥満症治療の専門施設でもあり、肥満症を合併した炎症性腸疾患患者に対して、より高度な周術期管理と術式選択が可能性です。肥満は潰瘍性大腸炎手術において、手術難度の上昇、骨盤操作の困難さなどに直結する重要な因子であり、当科では肥満症診療の知見を外科治療に反映しています。
ロボット支援手術を含めた低侵襲手術戦略と、多職種による周術期管理を組み合わせることで、肥満症例においても安全な外科治療の提供を目指しています。

手術実績

炎症性腸疾患に対する外科手術は年間20~30例を施行しており、安定した治療成績を維持しています。
大学病院として、安全性と専門性の両立を追求しながら診療にあたっています。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
佐倉病院 消化器外科

〒285-8741
千葉県佐倉市下志津564-1
TEL:043-462-8811(代表)