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よくあるご質問

  • まず下の図をご覧ください。これは乳がんの年齢層別罹患率および年次推移を表したもので、乳がんの罹患率が40歳代から急増していることが一目でわかります。2010年の統計では40歳代から60歳代にかけての罹患率は人口10万に対し150人~231人と、この年代の女性が乳がんにかかりやすいことは明らかです。

    さらに注目すべき点は、70歳以上の乳がん罹患率も人口10万に対し130人以上に及んでいることです。「高齢者は乳がんにはなりにくい」という風評は誤りです。
    乳がんの年齢層別罹患率および年次推移 図1 乳がんの年齢層別罹患率および年次推移
  • 大きく2つの要因が考えられます。

    ひとつは、女性の社会進出などに伴い、妊娠・出産をしない女性、または高齢で出産する女性が増えていることです。乳がんの発生や増殖には女性ホルモンのエストロゲンが大きく影響しており、エストロゲンが高い状態が続くと病気が進行しやすくなる傾向があります。

    エストロゲンは、毎月の月経周期の一時期にとくに高くなります。長い期間にわたり妊娠・出産をしないということは、それだけ月経の回数も多くなるということであり、エストロゲンの影響を受ける時間も長くなるといえます。

    もうひとつは高カロリーの食生活や運動不足などが原因で肥満の女性が増えていることです。肥満によって皮下脂肪が増加すると、エストロゲンも増加します。とくに閉経後は、エストロゲンが卵巣ではなく脂肪組織で産生されるようになるため、高齢の肥満女性ほど乳がんのリスクが高まる傾向があります。

    乳がんの要因にはこのほか家族歴など遺伝的な要素も関係していますが、少なくとも肥満は自分自身で予防したり改善できることです。普段の食生活や運動など生活習慣に気をつけ、適正体重を維持することは、乳がんのリスクを減らすうえでも効果的です。
  • 毎日自分の手で乳房に触れて変化をチェックすることも大切ですが、それだけを早期発見の手がかりにするのは難しいのも事実です。というのも、乳がんの初期段階ではほとんど痛みなどの自覚症状がなく、必ずしもしこりができるとも限りません。また、自分でしこりに気がついたときにはすでにがんが進行している場合もあります。
    ベストなのは、地域の自治体などが行っている公的な乳がん検診をまず受けることです。先に述べたように高齢者でも乳がんにかかるリスクはありますので、年齢に関わらず、定期的に検診を受けることをおすすめします。
    なお、当科では佐倉市をはじめ、八千代市、四街道市、千葉市、成田市、八街市などの各自治体が行っている乳がん検診の2次検診医療機関に指定されています。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
佐倉病院 乳腺外科

〒285-8741
千葉県佐倉市下志津564-1
TEL:043-462-8811(代表)