東邦大学医療センター佐倉病院では、大学医療機関・総合病院としては全国に先駆け、2007年10月から、うつ病を患った方へのリワーク・プログラムを導入し、地域におけるうつ病リワークの中核的な役割を果しています。当センターのプログラムが、現在の安定した形になるまでには、多職種による検討を重ね、さまざまな病態の人たちを一律に一種類の治療プランに組み込む無理がなく、認知行動療法(Cognitive behavioral therapy: CBT)の適応や職域との連携についても、そのニーズに応じたメニューを施せるように努めています。利用者の皆様方には、安心してご活用いただき、医療関係者の皆様には、ご指導、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
当センターでは、緩和ケアチーム、メンタルヘルスのスタッフと連携しながら、がん患者の心理的な支援、就労サポートも行っています。特に、思春期と若年成人世代(Adolescent and Young Adult: AYA世代)のがん患者は、さまざまな問題を抱えています。AYA世代のがん患者の就学、就労、不安やストレス等に対して、緩和ケアチーム、がん相談支援センター、メンタルヘルスのスタッフによる多職種連携チームが幅広い支援を行い、経済的な負担を軽減するための社会資源に関する情報も提供いたします。
略歴: 広島県尾道市出身。1991年徳島大学医学部卒業。以後、岡山大学病院等でのストレス関連疾患の診療を経て、2004年より(独)労働者健康安全機構 労災疾病等研究事業、厚労省委託「治療と仕事の両立支援」事業等を担当。2016年10月より現職。医学博士、精神保健指定医、日医認定産業医、日本精神神経学会専門医・指導医・精神保健に関する委員、日本産業精神保健学会理事、日本産業ストレス学会理事、日本外来精神医療学会常任理事、日本精神科産業医協会理事、日本職業災害医学会評議員・労災補償指導医、日本総合病院精神医学会評議員、東京産業保健総合支援センター産業保健相談員等を務める。著書に、『主治医と職域間の連携好事例30-治療と仕事の両立支援 メンタルヘルス不調編Ⅱ』)、『治療と仕事の『両立支援』メンタルヘルス不調編-復職可判断のアセスメントツールと活用事例20-』(労働調査会)、『ココロブルーと脳ブルー‐知っておきたい科学としてのメンタルヘルス‐』(産業医学振興財団)、『働く人のうつ、疲労と脳血流変化-画像で見る うつ、疲労の客観的評価-』(保健文化社)等がある。