脳神経内科の開設にあたって

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認知症に対する取り組みと認知症サポートチーム(DST)

病院と地域での認知症サポートケア
💛認知症に対する取り組みと認知症サポートチーム(DST)
💛公開講座
 「地域で考えるケアと治療~認知症とともに歩む"診断と治療"」
 第9回までは「活動と実績:神経内科公開講座 2.認知症」のページを
 ご覧下さい。
💛お知らせ

認知症疾患医療センターと、東邦大学医療センター佐倉病院の認知症に対する取り組み

人口の高齢化を受け、全国の大学病院をはじめとする医療施設は、高齢者にやさしい医療に以前から取り組んでおります。80歳台の方の3人に1人、90歳台の方の2人に1人が、なんらかの認知機能の問題を抱えておられるとされ(65歳以上では10~13人に1人)、認知症を有する方にやさしい医療への取り組みが、急務とされています。
認知症は、初期軽症の方(物忘れなど)は神経内科、中期以降の方(妄想幻覚など)は精神科(メンタルヘルスクリニック)が主に担当しております。認知症の原因はさまざまで、アルツハイマー病、レヴィー小体型認知症、かくれ脳梗塞、アルコールなどが関与致します。その上で、初期評価診断と、介護薬物治療などの対処を相談することが重要です。東邦大学医療センター佐倉病院では、神経内科とメンタルヘルスクリニックが共同して、院内・院外の患者さんのご相談に応じています。ここでは、神経内科を中心にご紹介申し上げます。

取り組み1 「もの忘れ外来」

2007年、東邦大学医療センター佐倉病院に神経内科が設置されました(診療責任者: 榊原隆次)。神経内科外来では、2007年の設置と同時に、認知症を有する方・認知症が疑われる方を、月曜~土曜の一般外来で広く受け入れております。2010年からは、金曜午後に、専門外来「もの忘れ外来」を設置し、病院内の他科先生方、医師会先生方からのわかりやすい窓口として、活用して頂いております。また、臨床心理士(尾形剛さん)による、高次機能障害の患者様を支えるご家族の会として「さくらの会」を設置し、認知症患者さんのご家族のケアを行っております。最近の、認知症を有する方・認知症が疑われる方の1年間の初診数は、約300-400名です。このため、神経内科では、脳MRI画像、心理検査を含めた丁寧な初期評価診断と、介護薬物治療などの対処をご相談し、方針が決まってから、医師会先生(かかりつけ医先生)に、お手紙を用意致します。その上で、当科に半年~1年ごとに紹介通院を頂いております。

取り組み2 「さくらパス」

東邦大学医療センター佐倉病院があります佐倉市では、3500人前後の患者がいると想定されています。一方、佐倉市を含む千葉県は、今後10年間、埼玉県に次いで全国2位のスピードで高齢化が進むことが想定されており、患者さんの急速な増加が予想されています。この問題に対処すべく、佐倉市では、市長さんの掛け声の下、認知症高齢者及びその家族が、住み慣れた地域において安心して生活を継続できるようにするため、佐倉市認知症地域ネットワークの一環として、認知症に関する医療連携及び医療と介護の連携の推進を図り、もって佐倉市における高齢者福祉の向上に資する。とし、2011年5月、佐倉市認知症地域ネットワーク: 医療介護連携推進協議会(佐認会)が発足致しました。

本会は、千葉県から佐倉市への委託事業で、医師(会長)志津雄一郎先生(志津クリニック精神科院長、佐倉市医師会)、(副会長)榊原隆次(東邦大学医療センター佐倉病院神経内科教授)、(委員)黒木宜夫先生(東邦大学医療センター佐倉病院メンタルヘルスクリニック教授)/桂川修一先生(同准教授)、医師会先生方、歯科医師会、薬剤師会先生と共に、佐倉市から佐倉市福祉部高齢者福祉課、佐倉市の5つの地域包括支援センターのケアマネージャーチーフ(志津北部、志津南部、臼井千代田、佐倉、南部)が、共同で、佐倉市の認知症の医療とケアを包括するものです。佐認会の特色として、全国に先駆けて、5つの地域包括支援センターの窓口で、認知症の初期評価としての心理検査(ミニメンタルテスト、MMSE、認知症の物差しとも言われます)を開始しております。認知症の物差しを、患者さん、ご家族、ケア、医師歯科医師薬剤師先生が共有することで、適切な初期対応が可能になっています。

取り組み3 「認知症疾患医療センター」

認知症疾患医療センターとは、認知症患者やその家族が住みなれた地域で安心して生活するための支援のひとつとして、都道府県や政令指定都市が指定するもので、身体的検査、画像診断、神経心理学的検査等の総合的評価が可能な認知症に関する専門医療機関に設置しています。診断、治療、相談の受付、医療介護関係者への研修等が主な業務です。医師会先生方と認知症疾患医療センターとのご紹介・やりとりを、国が後押しする制度といえます。
東邦大学医療センター佐倉病院は、2013年7月、千葉県認知症疾患医療センターに指定されました(座長/センター長 榊原隆次、副座長/副センター長 桂川修一先生)。当院もこれまで以上に地域の皆様の拠りどころとなるべく、認知症治療に努めてまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、認知症一般につきましては、以下のリンクをご参照戴けますと幸でございます。

取り組み4 「認知症初期集中支援チーム」

厚生労働省が平成24年に定めた「認知症推進5か年計画」に沿って、千葉県佐倉市では平成28年10月から、「認知症初期集中支援チーム」が発足いたしました。佐倉市には5つの地域包括支援センター(志津北部、志津南部、千代田、佐倉、南部)があります。東邦大学医療センター佐倉病院は、志津南部地域包括支援センターに近いことから、同支援センターに協力をしています。支援センターチーム員(看護師、医療福祉士、介護職員他)の方3名が、まだ支援センターやものわすれ外来を受診していないが、認知症が疑われる方(家族、民生委員、コンビニ・宅配員等による気づき)に対して、家庭訪問を致します。その結果を持ち寄って頂き、毎月1回、金曜の神経内科ものわすれ外来にて、神経内科(榊原)、精神メンタル科(加藤先生)、神経内科臨床心理士(尾形さん)、精神メンタル科医療福祉士(鈴木さん, 随時)、支援センターチーム員3名が集まり、1回に10-13事例の検討会をしています。この検討会により、認知症が疑われる方のケアと医療がスムーズに進み、支援センターチーム員の方の助けとなることを望んでおります。

取り組み5 「認知症と運転免許証」

昨今のニュースにあります、高速道路の逆走、コンビニに車で突っ込む等の背景に、認知症の問題があることが広く知られるようになってきました。この問題に対処すべく、警察庁により平成29年3月、改正道路交通法、いわゆる「高齢運転者に関する交通安全対策についての規定整備」が発表されました。その内容は、新聞・ニュース等で知られておりますように、75歳以上の方では、運転免許試験センターで以前から行われております簡易認知機能検査結果に基づいて、新しい高齢者講習が実施されるとのことです。一方、認知症のおそれがある方は、後日、臨時適性検査を受け又は医師の作成した診断書を提出するものとされ、検査結果等により認知症と判断された場合は、運転免許の取消し又は停止となります(運転免許試験センターより)。佐倉病院をはじめとする認知症疾患医療センター等は、この制度にしたがい、診断書の作成を行うと同時に、ご家族を含めた認知症のケアと治療を行っています。

一方、運転免許試験センターでは、診断書提出と並行して、自主的な免許証の早期返納をうながしておられます。早期返納により、バス(タクシー)などの公共機関が割安で利用できるメリットがあります。詳しくは、最寄の運転免許試験センターにおたずね下さい。

取り組み6 「認知症サポートチーム DST (ディーエスティー dementia support team)」

厚生労働省が平成27年に定めた「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」に沿って、身体疾患(歩行障害を含めて)を有する認知症患者さんのケアに関する評価と助言が、全国の大学病院を含めた入院施設で始まっています。東邦大学佐倉病院では、平成30年4月に、「認知症サポートチーム DST」が発足いたしました。
まだものわすれ外来を受診していない方をふくめて、認知症が疑われる/せん妄などがみられる入院中の患者さん(病棟看護師等による気づき)に対して、チーム員で訪問・回診をいたします。
毎週1回、水曜午後の神経内科外来にて、神経内科(榊原)、精神メンタル科(加藤先生・桂川先生)、神経内科認知症専門看護師(飯村さん)、神経内科臨床心理士(尾形さん)、精神メンタル科医療福祉士(鈴木さん)、理学療法士(寺山さん)のチーム員7名が集まり、3時間ほどをかけて、1回に40事例の検討会をしています。
この検討会により、認知症が疑われる方のケアと治療がスムーズに進み、転倒の防止、抑制手技の軽減につながることを望んでおります。

取り組み8 「東邦大学佐倉病院からの発信と学術」

認知症・高齢者の方を対象とした東邦大学佐倉病院からの発信と学術活動として、以下の報告を行っています。今後、随時更新をしてまいります。認知症一般については、ぜひ下記のリンクをご覧ください。
これまでの認知症を含めた学術活動全般については、下記のリンクをご覧ください。
★若年性認知症~レヴィー小体型認知症(DLB)型について
Young-onset dementia with Lewy bodies.

雑誌名Case Rep Neurol. 2018年; 第10号: 363-368ページ.

当院の認知症サポートチーム(DST)メンバー(認知症専門看護師、臨床心理士、医療社会福祉士、理学療法士、精神科医、脳神経内科医、神経放射線科医)により報告されました。(図は、診断の決め手となる心筋MIBGシンチグラフィー、脳ダットスキャンの写真です) 65歳以前に発症する認知症は、若年性認知症と言われ、当院でも重要項目の一つとして取り組んでいます。若年性認知症を発症されますと、仕事に従事されている方、一家の主婦をされている方等々、ご家族を含めた困窮度は、年配の方以上に大きいと言われます。若年性認知症の原因として、これまで、アルツハイマー病(AD)、前頭側頭型認知症(FTD)などが知られていました。一方DLBでも、歩行障害を伴わず、若年性認知症を発症する場合があり、その場合の診断とケアが述べられています。
★急性期病院での認知症・せん妄のある患者さんの実態
Acute onset dementia/delirium among university in-patients: a multi-faculty surveillance including emergency.


第61回日本神経学会総会(2020年5月20-23日、岡山 予定) (図は、当院DSTのメンバーです) 当院の認知症サポートチーム(DST)メンバー(認知症専門看護師、臨床心理士、医療社会福祉士、理学療法士、精神科医、脳神経内科医)による報告です。 当院は451床の急性期医療・高度先進医療を中心とする病院です。近年は、全国の大学病院と同様に、年配の患者さんの比率が増え、80-90歳台の方の手術数が増加しています。一方、80歳台の方の3人に1人が、何等かの認知機能の問題を持っているとされ、眼科、外科をはじめとする全ての病棟で、入院を機に、認知症/全身炎症脳症(せんもうとも言います)を発症されることが少なくありません。病棟看護師さんのみで対応下さることも少なくないのですが、病棟看護師さん(リンクナース)による「気付き」により、当院DSTメンバーが皆でお部屋に訪問し、患者さん/看護師さんの相談に乗っています。 85歳以上入院患者さんでは23.6%の方が対象となり、眼科を含めた全ての科にまたがっており、日常生活に常に介護を要する人が多く、「認知の物差し」ミニメンタルテストの平均点数は、16.5/30点(24点以上が正常値です、中程度の認知症)でした。

取り組み9 「せんもうの予防とケア」

厚生労働省が平成27年に定めた「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」に沿って、認知症の急性発症(せんもう、脳症ともいいます)の予防とケアに関する評価と助言が、令和2年から全国の大学病院を含めた入院施設で始まっています。東邦大学佐倉病院では、令和2年7月に、「せんもうのハイリスクケア」が、「認知症サポートチーム DST」を母体として発足いたしました。
せんもうは、脳症ともいわれ、年配の方が急に歩けなくなった/急に認知症が出た!といった状態です。認知症(アルツハイマー病など)・歩行障害が軽度あった方にしばしばみられます。身体疾患・薬剤などが脳に波及するもので、その治療で歩行障害・認知症が改善します。閉眼している・症状に波がある(夜間増悪)といった軽度意識障害が、認知症と同時によくみられます。
原因として、
  • 脱水 ~脱水脳症
  • 誤嚥性気管支肺炎/手術後 ~全身炎症脳症
  • 担癌患者さん ~担癌患者の脳症
  • 薬剤(の過量)/全身麻酔後 ~薬剤性脳症
  • その他 ~代謝性脳症(O2,CO2,Na,糖,ビタミンB1,アンモニア,尿毒症など)
  • ストレス~環境変化,痛み,カテーテル,抑制,ICU
などが知られています。脳固有の病気(脳卒中・髄膜炎・脳転移/傍腫瘍症候群など)を除く必要がありますが、これらよりもはるかに頻度が高いことも知られています。

これらをまとめた点数(リスク)として、70歳以上、アルコール、認知症、脳固有の病気、薬剤、手術/全身麻酔、せんもう歴の7つのうち、2つ(2点)以上が当てはまると、せんもう/脳症を起こしやすいとされます(厚生労働省ホームページ)。
まだ入院をしていない方・ものわすれ外来を受診していない方をふくめて、外来・病棟・手術室看護師さん、薬剤師さんと力を合わせ、認知症サポートチーム DST(認知症専門看護師[飯村さん]、脳神経内科[榊原]、精神メンタル科[桂川先生]、臨床心理士[尾形さん]、医療福祉士[鈴木さん]、理学療法士[寺山さん])が中心となり、せんもうの予防とケアを行ってまいります。「せんもうのハイリスクケア」により、せんもうの発症をなるべく予防し、もし発症された場合でも、軽症で、早く症状が軽快されますよう、多職種の力を合わせて参りたいと存じます。

取り組み10 「患者さん情報誌 地域新聞 に、 佐倉病院脳神経内科・精神科・脳神経外科による 認知症サポートチーム(DST) が取材を受けました! 🌸」

患者さん情報誌 地域新聞 に、 佐倉病院脳神経内科・精神科・脳神経外科による 認知症サポートチーム(DST) が取材を受けました! 🌸

お知らせ

♡♡「認知症の排泄ケア ベッドサイドマニュアル」が、この度発刊されました。

♡♡「認知症の排泄ケア ベッドサイドマニュアル」が、佐倉病院の榊原・大橋病院泌尿器科関戸先生・日本コンチネンス協会西村先生を編著、東邦大学医療センター佐倉病院 認知症サポートチーム(DST)の桂川先生、飯村さん、尾形さん、鈴木さん、寺山さん、佐倉市高齢者福祉課緑川様、その他多数の執筆を頂き、この度発刊されました。
下記は巻頭言です。少し長いですがご覧頂けますと幸いです。
「認知症の排泄ケア ベッドサイドマニュアル」

認知症の排泄ケア: ベッドサイドマニュアル 巻頭言

このたび、中外医学社から「認知症の排泄ケア: ベッドサイドマニュアル」が発刊されることになりました。排泄(はいせつ)とは、排尿(膀胱)と排便(腸管)の働きをまとめた言葉です。本書は、認知症の方の排泄(はいせつ)の困りごとについて解説したものです。
泌尿器科、消化器科の先生方に知られておりますように、認知症の方の、内視鏡で異常がない機能性の排泄障害は、以前は、「認知症によるもので、対処のしようがないもの」と考えられがちでした。ところが最近、認知症がごく軽度またはほとんどない年配の方にも、排泄障害(過活動膀胱と便秘)が、高頻度にみられることが明らかとなってきました。その背後にあるものがある程度明らかにされ、メカニズムに応じた、効果的な治療ができるようになってきました。
以下のことが明らかとなってきています~
★若年性アルツハイマー病では、認知症が目立ちますが、過活動膀胱・便秘や歩行障害が目立たないこと。
★高齢の方では、かくれ脳梗塞とアルツハイマー病の2疾患の合併が多く、このうちかくれ脳梗塞が、過活動膀胱と歩行障害(ちょこちょこ歩き・左右に足が開いている)を早くからきたすこと。
★最近注目されているレヴィー小体型認知症は、脳だけでなく末梢神経(腸管壁内神経叢)にも病気が及ぶために、便秘・イレウスを早くからきたし、溢流性便失禁もみられること。
★高齢の方は、脳の病気の他に、全身(各診療科)の合併症も多いものです。おなかの手術後の癒着性イレウス、前立腺肥大症(男性)、糖尿病・腰椎症による残尿(便秘)、腹圧性尿失禁(女性)、夜間多尿、薬の効きすぎによる残尿便秘、廃用性萎縮(椅子から立ち上がれない、サルコペニアともいいます)、整形外科の病気(膝関節症・腰椎症)による痛み、発熱/脱水/手術後や悪性腫瘍の方にみられるせんもう(脳症ともいいます)など。
★一方、認知症が進行すると(認知の物差しミニメンタルテストが10点以下など)、トイレの場所がわからない、トイレで排尿排便する意思がない、尿便失禁をしても教えず平気でいる、などの認知機能・意欲の低下のため失禁をしてしまいます。さらに、1時間に10回以上ナースコールを呼ぶなどのいらいら症状(膀胱のBPSD [認知症の行動心理症状]ともいいます)がみられることもあります。
これらの、認知症の方の排泄の困りごとに対して、ケアと治療の試みがされてきています。本書は3章からなります。
第1章「どんなパターンがあるの?」 は症例提示です。排泄の困りごとがあった時、似たパターンを探しますと、その背後にあるものと、具体的な方策を知ることができるように思います。
第2章「もうちょっと知りたい!」 は質問と答えです。まとまった答えを得ることができるように思います。
第3章「詳しく知りたい!」 は総論編です。認知症・高齢者・排泄をもっと知りたい方のために、第1・2章のもとになる考え方・研究について知ることができるように思います。
本書は、認知症の方と共に歩んでおられる家族会、介護支援専門員、医療社会福祉士、市の高齢者福祉課、認知症専門看護師、理学療法士、臨床心理士、脳神経内科、精神科、老年内科、泌尿器科、婦人科、消化器内科外科その他の皆様方に、直接ご執筆を依頼して、完成したものです。すなわち、認知症の方の排泄の困りごとの「なまの声」に対して、対処法を、エキスパートの立場からわかりやすく解説する実践の書です。ぜひ、手に取ってお役立て頂けますと幸いです。なお本書は、中外医学社から出版されました「神経因性膀胱ベッドサイドマニュアル」、「神経・精神疾患による消化管障害ベッドサイドマニュアル」の姉妹編でもあります。併せ御覧頂けますと幸いです。最後に、編集発刊に向け終始ご助言を賜りました、中外医学社 五月女謙一さん・中畑謙さんに心より深謝申し上げます。

2020年9月 吉日

編者
榊原 隆次 東邦大学医療センター佐倉病院脳神経内科教授
関戸 哲利 東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科教授
西村かおる 日本コンチネンス協会会長

🏥「2019年度 印旛9市郡認知症医療連携協議会」が、佐倉市ウィシュトンホテルで開催されました。🏥

東邦大学佐倉病院は、2013年千葉県より印旛9市郡(佐倉/四街道/八街/酒々井/富里/成田/印西/白井/栄)の認知症疾患医療センターの指定を受け、認知症の介護医療の連携に努めております。このたび、お世話になっております先生方・皆様方との連携の会として、「2019年度 印旛9市郡認知症医療連携協議会」が、2019年12月12日木曜に、佐倉市ウィシュトンホテルで開催されました。
総合司会を志津クリニック院長 志津雄一郎先生に賜り、会がスタート致しました。 開会あいさつは当院脳神経内科榊原より、続いて、当院院長 長尾建樹先生より、ご挨拶を賜りました。 まず、「介護医療の連携について~佐倉市の取り組み」について、佐倉市高齢者福祉課 緑川様より、続いて、 「認知症疾患医療センターについて」を、千葉県健康福祉部高齢者福祉課 認知症対策推進班主査 蟹江様より賜りました。つぎに、大学病院から、「当院の認知症疾患医療センターとしての取り組み ~高齢者ケアの立場から」 を榊原 より、「日本医科大学千葉北総病院での認知症診療:連携について」を、日本医科大学千葉北総病院脳神経内科教授 山崎峰雄先生より賜りました。最後に、「認知症診療 ークリニックの立場からー」 を、東海大学脳神経内科名誉教授で、四街道駅クリニックを開業されておられる 北川泰久先生から、それぞれ賜りました。閉会のあいさつは、いつも大変お世話になっている、当院メンタルヘルスクリニック教授 桂川修一先生に賜りました。情報交換会では、各ご施設の先生方・皆様に、おおいに交流を頂きました。
本会が印旛9市郡での認知症の方の介護・医療交流に役立つならば、望外の喜びです。

文責:東邦大学医療センター佐倉病院 認知症疾患医療センター/認知症サポートチーム

「Run伴(らんとも)」 2019年11月2日(土)認知症啓蒙の市民運動に、東邦大学医療センター佐倉病院認知症サポートチーム(DST)メンバーが参加しました!

「Run伴(らんとも)」 2019年11月2日(土)
「Run伴(らんとも)」 2019年11月2日(土)
「Run伴(らんとも)」 2019年11月2日(土)
RUN伴(らんとも)は、民間非営利組織(NPO)認知症フレンドシップクラブ(2007年) により始められたもので、県高齢協および佐倉市の後援を受け、2019年11月2日(土曜日)、認知症の方と家族・サポーターの方々が、志津図書館前の「萌の広場」とスポーツ等多目的広場周辺を1周する(1.2 km)ものです。
東邦大学医療センター佐倉病院から、DSTメンバーとして認知症専門看護師の飯村さん、臨床心理士の尾形さん、精神医療福祉士の鈴木さんご一家の計5名が参加され、見事完走されました。東邦大学医療センター佐倉病院の認知症ケア活動を、佐倉市民の皆様に大いにアピールして下さいました。大変お疲れ様でした。
(文責: 脳神経内科/認知症疾患医療センター/DST 榊原隆次)

認知症ケア研修会 ’認知症者を支える環境調整とは’ が開催されました。

看護師および全職員を対象とした、認知症看護に関する研修会が、2019年6月19日(水)に、7階講義室1-3において開催されました。
本研修会は、病院内全職員が、認知症を有する高齢の患者さんを理解することにより、患者さんに優しい医療を実現するためのものです。同時に、それを適切に十分に行っている病院が、国で定められた「認知症ケア加算1」を算定するための要件ともなっています。本研修会は、認知症ケア委員会/認知症サポートチームDST (ディーエスティー dementia support team)メンバーによって企画・運営されました。
認知症専門看護師の飯村さんと、脳神経内科の榊原先生の司会の下、会が始まりました。
はじめに、佐倉市福祉部高齢者福祉課 包括ケア推進班主任保健師の 鵜澤由佳先生により、
(1)認知症者を支える社会資源とは-佐倉市の高齢化状況や認知症施策を学ぶ— についてお話を頂きました。つぎに、公益社団法人 認知症の人と家族の会 千葉県支部支部長  廣岡成子先生により、
(20)認知症者を支える家族看護とは-認知症のある方のご家族はどのようなケアを望んでいるか— について、廣岡先生の豊富なご経験・実例をもとに、笑いを交え、とても役に立つお話、考えさせられる素晴らしいお話を頂きました。認知症の人と家族の会による、国・地方自治体に対する政策の充実を求める要望活動についても、ご紹介を頂きました。詳しくはホームページ(http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=157)をご覧頂けますと幸いです。研修会により、患者さんに優しい医療が少しずつ、さらに広がることが望まれます。
左から、MSW野口さん、榊原先生、佐倉市保健師の鵜澤先生・緑川さん、人と家族の会の廣岡先生、リハ寺山さん、認知症専門看護師飯村さん、心理尾形さん
(桂川先生は学会で参加できず残念でした)
(文責:榊原隆次)

「平成30年度千葉県認知症疾患医療センター研修会」が、千葉大・東邦大佐倉病院・同和会千葉病院(船橋)の3病院による企画で、若年性認知症をテーマとして開催されました。

「平成30年度千葉県認知症疾患医療センター研修会」が、千葉大・東邦大佐倉病院・同和会千葉病院(船橋)の3病院による企画で、若年性認知症をテーマとして開催されました。
左:会場の様子
右:東邦大佐倉病院のケースレポート(榊原)
認知症疾患医療センターの交流と勉強を目的とした、千葉県認知症疾患医療センター研修会は、2015年2月の木更津市での第1回から数え、本年が第5回を迎えます。平成30年度研修会は、2019年(平成31年)2月2日(土)13:30~16:00、千葉市総合保健医療センターを会場として開催されました。今回は、松戸市から館山市までと千葉県内全域から、医師、看護師、保健師、理学療法士、臨床心理士、歯科衛生士、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、事務職、と多職種の方々が、200名以上参加されました。当日は、認知症の人と家族の会千葉県支部代表の廣岡成子さん、千葉大/千葉県若年性認知症支援コーディネーターの佐藤尚代さんの講演から始まりました。続いて、東邦大佐倉病院・同和会千葉病院による、若年性認知症患者さんのケースレポート2症例について、会場全体を7名1チームとした、グループディスカッションと発表が行われました。最後に、千葉大脳神経内科の平野先生から、千葉県下の疾患医療センターでの、若年性認知症患者さんの診療実績が提示されました。最後に、企画運営を賜りました、千葉県高齢者福祉課認知症対策推進班の蟹江卓様に深謝申し上げます。

「Run伴(らんとも)」 2018年9月8日(土)認知症啓蒙の市民運動に、佐倉病院認知症サポートチーム(DST)メンバーと佐倉病院陸上部メンバーが参加しました!

写真上 左から高橋さん、飯村さん、尾形さん
写真下右 佐倉市イメージキャラクター「カムロちゃん」
 21世紀は脳の世紀ともいわれます。各種メディアで「認知症」が大きく取り上げられ、社会的な関心が高まっています。佐倉病院では、2007年の脳神経内科開設と同時に「ものわすれ外来」が始まり、2009年秋、公開講座「地域で考えるケアと治療~認知症と共に歩む“診断と治療”」を初めて取り上げ、本年秋、同10回目が開催され、大好評を博しました。2013年には千葉県「認知症疾患医療センター」指定、2018年から「認知症サポートチームDST」制度が、認知症専門看護師飯村さん、榊原、精神メンタル科桂川先生・加藤先生、精神社会福祉士鈴木さん、理学療法士寺山さん、臨床心理士尾形さん、各病棟の認知症リンクナースを中心に始まっています。
 RUN伴(らんとも)は、民間非営利組織(NPO)認知症フレンドシップクラブ(2007年) http://dfc.or.jp/about により始められたもので、県高齢協および佐倉市の後援を受け、2018年9月8日(土曜日)、認知症の方と家族・サポーターの方々が、イオンタウンユーカリが丘を1周する(1.8 km)ものです。
http://www.aeontown.co.jp/yukarigaoka/node/3103
 東邦大学医療センター佐倉病院から、DSTメンバーとして認知症専門看護師の飯村さん、臨床心理士の尾形さん、佐倉病院陸上部メンバーとして臨床検査技師の高橋さんの3名が参加され、見事完走されました。東邦大学佐倉病院の認知症ケア活動を、佐倉市民の皆様に大いにアピールして下さいました。大変お疲れ様でした。

(文責: 脳神経内科/認知症疾患医療センター/DST 榊原隆次)

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
佐倉病院 脳神経内科

〒285-8741
千葉県佐倉市下志津564-1
TEL:043-462-8811(代表)