地域連携行事
2025年9月21日 第283回千葉県眼科集談会に参加しました
秋の気配が深まる頃、2025年9月21日(日)に第283回千葉県眼科集談会が千葉大学にて開催されました。
東邦大学医療センター佐倉病院 眼科からは、以下の3演題を発表いたしました。
当院では、学会発表に向けて指導医とともに内容やスライドをブラッシュアップし、カンファレンスでの予演会を通じて発表や質疑応答の練習を重ねています。カンファレンスには医師だけでなく視能訓練士の皆さんにも参加いただいており、今回は船木迫さんの演題発表もありました。このように、日々の外来診療や手術などの臨床的な側面に加えて、学会発表でも活躍できる環境が整っていることは当院の大きな魅力であると改めて感じました。
私自身、日々の眼科医としての臨床経験を通じて、各演題に対する理解や関心が自然に深まっていることを実感することが出来ました。この経験を糧に今後の自身の学会発表に向けて準備を進めてまいりたいと思います。
今後も本会で得た学びを日常診療や地域連携に還元し、県内の眼科医療の質向上に微力ながら貢献してまいりたいと存じます。
東邦大学医療センター佐倉病院 眼科からは、以下の3演題を発表いたしました。
- 布瀬萌「乳頭ピットを伴わない視神経乳頭周囲網膜分離(NOPIR)に対する硝子体手術後の脈絡膜循環」
- 船木迫里南「小児近視性不同視眼における僚眼の著明な眼軸伸長と脈絡膜血流変化の1例」
- 藤岡直樹「網膜中心静脈閉塞症に対するファリシマブ硝子体内注射の網膜循環動態への影響」
当院では、学会発表に向けて指導医とともに内容やスライドをブラッシュアップし、カンファレンスでの予演会を通じて発表や質疑応答の練習を重ねています。カンファレンスには医師だけでなく視能訓練士の皆さんにも参加いただいており、今回は船木迫さんの演題発表もありました。このように、日々の外来診療や手術などの臨床的な側面に加えて、学会発表でも活躍できる環境が整っていることは当院の大きな魅力であると改めて感じました。
私自身、日々の眼科医としての臨床経験を通じて、各演題に対する理解や関心が自然に深まっていることを実感することが出来ました。この経験を糧に今後の自身の学会発表に向けて準備を進めてまいりたいと思います。
今後も本会で得た学びを日常診療や地域連携に還元し、県内の眼科医療の質向上に微力ながら貢献してまいりたいと存じます。
文責:松浦 優佑
2025年6月21日(土)第16回東邦大学佐倉病院 眼科フォーラムを開催しました。
2025年6月21日、佐倉眼科フォーラムが盛況のうちに開催されました。本フォーラムは2009年に第1回が開催されてから、今回が第16回の開催にあたります。50名を超える先生方や視能訓練士の方々にお集まりいただき、緑内障、網膜再生医療、網膜硝子体手術という3つの専門分野から、それぞれ第一線でご活躍されている先生方をお招きし、各分野の最新動向についてご講演いただきました。
まず、日本医科大学眼科准教授の中元兼二先生より、「緑内障診療〜基本方針と実際〜」と題してご講演いただきました。点眼治療に伴う副作用の実際について臨床経験を交えた詳細な解説がありました。さらに、選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)の眼圧下降効果に関しても、近年のエビデンスを基にその有効性や治療選択における位置づけが示され、初期治療としてのSLT導入の可能性について参加者の関心を集めました。
次に、株式会社ビジョンケア代表取締役社長/神戸市立神戸アイセンター病院研修センターの髙橋政代先生からは、「網膜細胞治療の展開」というテーマでご講演がありました。疾患モデルに基づく網膜再生医療の進展に加え、ロービジョン患者とのコミュニケーションのあり方や、ロービジョンケアにおける心理社会的サポートの必要性にも触れられました。また、iPS細胞を用いた網膜細胞の培養において、自動化ロボット技術の応用が進みつつある現状も紹介され、再生医療における品質管理に対する取り組みも大変印象的でした。
最後に、関西医科大学眼科主任教授の今井尚徳先生による「網膜硝子体手術Update」では、網膜剥離、増殖硝子体網膜症などの硝子体手術における最新の術式や周術期管理について、豊富な症例を通じてご解説いただきました。特に、術前後での静的・動的視野検査の実施により、機能評価を客観的に行う重要性が強調されました。また、術中に意図的に作成された網膜裂孔が術後視野に与える影響についての考察は、手術侵襲と視覚予後のバランスを再考させられる興味深い話題でした。
講演終了後には情報交換会が行われ、講師の先生方を交えた活発な議論が展開されました。日常診療での疑問点を直接質問できる機会に、参加者同士の交流も深まり、大変有意義な時間となりました。
本フォーラムを通じて、眼科臨床と基礎研究、そして社会実装にわたる幅広い知見が共有され、今後の医療提供体制のさらなる向上が期待されます。地域に根ざした眼科医療の発展のため、今後もこうした学術交流の場が継続されていくことを望みます。
まず、日本医科大学眼科准教授の中元兼二先生より、「緑内障診療〜基本方針と実際〜」と題してご講演いただきました。点眼治療に伴う副作用の実際について臨床経験を交えた詳細な解説がありました。さらに、選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)の眼圧下降効果に関しても、近年のエビデンスを基にその有効性や治療選択における位置づけが示され、初期治療としてのSLT導入の可能性について参加者の関心を集めました。
次に、株式会社ビジョンケア代表取締役社長/神戸市立神戸アイセンター病院研修センターの髙橋政代先生からは、「網膜細胞治療の展開」というテーマでご講演がありました。疾患モデルに基づく網膜再生医療の進展に加え、ロービジョン患者とのコミュニケーションのあり方や、ロービジョンケアにおける心理社会的サポートの必要性にも触れられました。また、iPS細胞を用いた網膜細胞の培養において、自動化ロボット技術の応用が進みつつある現状も紹介され、再生医療における品質管理に対する取り組みも大変印象的でした。
最後に、関西医科大学眼科主任教授の今井尚徳先生による「網膜硝子体手術Update」では、網膜剥離、増殖硝子体網膜症などの硝子体手術における最新の術式や周術期管理について、豊富な症例を通じてご解説いただきました。特に、術前後での静的・動的視野検査の実施により、機能評価を客観的に行う重要性が強調されました。また、術中に意図的に作成された網膜裂孔が術後視野に与える影響についての考察は、手術侵襲と視覚予後のバランスを再考させられる興味深い話題でした。
講演終了後には情報交換会が行われ、講師の先生方を交えた活発な議論が展開されました。日常診療での疑問点を直接質問できる機会に、参加者同士の交流も深まり、大変有意義な時間となりました。
本フォーラムを通じて、眼科臨床と基礎研究、そして社会実装にわたる幅広い知見が共有され、今後の医療提供体制のさらなる向上が期待されます。地域に根ざした眼科医療の発展のため、今後もこうした学術交流の場が継続されていくことを望みます。
文責:戸張 真澄
2024年9月15日 第281回千葉県眼科集談会に参加しました。
残暑がまだ厳しい中、2024年9月15日に第281回千葉眼科集談会が千葉大学にて開催されました。
東邦大学医療センター佐倉病院眼科からは、以下の4演題を発表致しました。
当科では地方会や学会発表に際し、指導医の先生方に症例の相談やスライド作成についてサポートいただきながら、カンファレンスで予演会を行い発表や質疑応答の模擬練習を行っております。今回はそれぞれが指導医である橋本先生、藤岡先生などにスライド指導をいただいており、私は初めての発表でしたが落ち着いて行うことができました。また八木先生は今回、座長の労をとっていただきました。
特別講演として、順天堂大学浦安病院眼科の海老原伸行教授による「専門医のためのアレルギー講座(アレルギー性結膜疾患)」が行われ、基礎研究が我々の未来の日常診療につながっていくということ、研究の重要性について改めて考える機会となり大変勉強になりました。
今回の千葉集談会も千葉県内の先生方が一同に介し、最新の研究成果を共有し、参加者間での活発なディスカッションが行われ、今後の眼科医療の発展に貢献できるような有意義な機会となりました。
今後ともこの会を通じて他大学や地域の先生との交流を深め、千葉県の眼科診療の発展を担っていけるように日々邁進させていただきたく思っております。
東邦大学医療センター佐倉病院眼科からは、以下の4演題を発表致しました。
- 今井咲良「経前房的アプローチによる硝子体内金属異物の低侵襲除去術」
- 木村優「両側の涙小管断裂に対する涙小管形成術を施行した1例」
- 薗田哲平「再発性多発軟膏炎による硝子体混濁に対し硝子体切除術が著効した1例」
- 竹中亮太「強度近視による難治性黄斑円孔に伴う網膜剥離に対して自家網膜移植を施行した1例」
当科では地方会や学会発表に際し、指導医の先生方に症例の相談やスライド作成についてサポートいただきながら、カンファレンスで予演会を行い発表や質疑応答の模擬練習を行っております。今回はそれぞれが指導医である橋本先生、藤岡先生などにスライド指導をいただいており、私は初めての発表でしたが落ち着いて行うことができました。また八木先生は今回、座長の労をとっていただきました。
特別講演として、順天堂大学浦安病院眼科の海老原伸行教授による「専門医のためのアレルギー講座(アレルギー性結膜疾患)」が行われ、基礎研究が我々の未来の日常診療につながっていくということ、研究の重要性について改めて考える機会となり大変勉強になりました。
今回の千葉集談会も千葉県内の先生方が一同に介し、最新の研究成果を共有し、参加者間での活発なディスカッションが行われ、今後の眼科医療の発展に貢献できるような有意義な機会となりました。
今後ともこの会を通じて他大学や地域の先生との交流を深め、千葉県の眼科診療の発展を担っていけるように日々邁進させていただきたく思っております。
文責:今井 咲良
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今井先生 発表
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木村先生 発表
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薗田先生 発表
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竹中先生 発表
集合写真
2024年9月12日(木)第1回佐倉レチナ倶楽部を開催しました。
先日2024年9月12日に開催された『第一回佐倉レチナ倶楽部』は、網膜疾患に関する知識を深める貴重な機会となりました。今回が初めての開催であり、平日の夜という忙しい時間帯にも関わらず、近隣の開業医の先生方にも多数ご参加いただきましたことに、心より感謝申し上げます。
今回の会では、特に愛知医科大学からご高明な瓶井資弘教授をお迎えすることができ、大変光栄に存じます。瓶井先生のご講演に先立ち、まずは当院の院内助教である田中一史先生が『糖尿病黄斑浮腫に対しファリシマブ投与後に血流変化を追えた一例』について発表され、最新の研究成果や治療の進展についての詳細な報告がありました。当院では田中先生を始め、LSFGを用いた研究を積極的に行っており、今後も研究の発展に期待ができます。
続いて瓶井先生による『網膜疾患:デジタル手術と診断』のご講演が行われました。当院では昨年からヘッズアップサージェリー(NGENUITY®︎3Dビジュアルシステム:日本アルコン株式会社)を導入しており、術者が快適に手術を行えるだけでなく、より患者様への侵襲が少なく、疾患に合わせて最適な手術が可能となっています。また、術者と助手が同じ画面を共有して手術を行うことで、教育面でも大いに貢献しております。瓶井先生は網膜硝子体手術分野のトップサージャンであり、ヘッズアップサージェリーの設定に焦点を当て、細やかな設定の違いや、それによって生じる手術結果への影響について詳しく解説してくださいました。手術において最適な環境を整えることの重要性を再確認し、今後の臨床においてどのように応用していくべきか、多くの示唆を得ることができました。
また、当院では網膜硝子体術者を志す女性医師も多く活躍しており、瓶井先生との関わりを通じて、参加した若手医師たちの士気も大いに高まり、今後の診療への意欲がさらに強化されたことも、今回の会の大きな成果の一つです。(ページ下部の写真は網膜硝子体術者を志す若手医師と瓶井先生との一枚です)
『第一回佐倉レチナ倶楽部』は、多くの学びと交流が生まれた実り多い会であり、今後もこのような有意義な機会を継続していくことが、地域医療の向上に繋がると確信しています。次回の開催がさらに充実したものとなるよう、今から期待が高まります。
今回の会では、特に愛知医科大学からご高明な瓶井資弘教授をお迎えすることができ、大変光栄に存じます。瓶井先生のご講演に先立ち、まずは当院の院内助教である田中一史先生が『糖尿病黄斑浮腫に対しファリシマブ投与後に血流変化を追えた一例』について発表され、最新の研究成果や治療の進展についての詳細な報告がありました。当院では田中先生を始め、LSFGを用いた研究を積極的に行っており、今後も研究の発展に期待ができます。
続いて瓶井先生による『網膜疾患:デジタル手術と診断』のご講演が行われました。当院では昨年からヘッズアップサージェリー(NGENUITY®︎3Dビジュアルシステム:日本アルコン株式会社)を導入しており、術者が快適に手術を行えるだけでなく、より患者様への侵襲が少なく、疾患に合わせて最適な手術が可能となっています。また、術者と助手が同じ画面を共有して手術を行うことで、教育面でも大いに貢献しております。瓶井先生は網膜硝子体手術分野のトップサージャンであり、ヘッズアップサージェリーの設定に焦点を当て、細やかな設定の違いや、それによって生じる手術結果への影響について詳しく解説してくださいました。手術において最適な環境を整えることの重要性を再確認し、今後の臨床においてどのように応用していくべきか、多くの示唆を得ることができました。
また、当院では網膜硝子体術者を志す女性医師も多く活躍しており、瓶井先生との関わりを通じて、参加した若手医師たちの士気も大いに高まり、今後の診療への意欲がさらに強化されたことも、今回の会の大きな成果の一つです。(ページ下部の写真は網膜硝子体術者を志す若手医師と瓶井先生との一枚です)
『第一回佐倉レチナ倶楽部』は、多くの学びと交流が生まれた実り多い会であり、今後もこのような有意義な機会を継続していくことが、地域医療の向上に繋がると確信しています。次回の開催がさらに充実したものとなるよう、今から期待が高まります。
文責:布瀬 萌
2024年6月22日(土)第15回東邦大学佐倉病院眼科フォーラム(以下、本会)を開催しました。
本会は、2009年4月に前野貴俊先生が当科教授就任時、地域病診・病診連携、勉学の向上を目的とし発足し、当科初代教授の竹内忍先生のご指導のもと、第一回を2009年5月30日(土)に開催しました(日本眼科学会専門医認定事業)。また、本会は当院として取り組んでいることから、病院長にも開会の挨拶をいただいております(第15回は吉田病院長の公務の都合により鈴木副院長が開会挨拶の労を賜る)。
コロナ禍を乗り越えて開催された第15回では、65名の先生方や視能訓練士の方々に現地参加いただきました。毎回素晴らしい先生方にご講演いただいております本会ですが、賑やかな懇親会も含め、今までに増して実りある勉強会となったと感じております。
今回も3名の素晴らしい先生方にご講演いただきました。
国際医療福祉大学熱海病院教授、後関利明先生にはサギングアイ症候群についてご講演いただきました。某テレビ番組での放送後、話題となったサギングアイ症候群ですが、自信を持って診断するにあたり、検査のコツや実際の手術について分かりやすく解説していただきました。佐倉フォーラムで神経眼科分野の講演があったのはこれまでで初めてとのことで、斜視や神経眼科についての理解が深まりました。
網膜疾患に対する硝子体手術が多く行われる当院では、頻繁に遭遇する黄斑前膜ですが、日本医科大学教授、岡本史樹先生のご講演ではOCTなどの他覚的検査ではなかなか検出しづらいコントラスト感度低下や変視など、患者様のQOLに関わる観点で詳しくお話しいただきました。予後不良となりやすい黄斑前膜の特徴など、改めて手術適応や患者様への手術説明などを見直す大事なきっかけになったと考えます。
福井大学教授、稲谷大先生には[ゆっくり解説]緑内障点眼薬2024と題して、その演題の通り、当医局に入局したての専攻医1年目でも理解できるように御丁寧に解説していただきました。近年複数の緑内障点眼薬が次々と発売されており、煩雑化しやすい配合剤ですが、うまくまとめてシンプルな処方を目指し、患者様のコンプライアンス向上に繋げることの大切さを再確認しました。
今回ご講演頂いた内容は復習・学習に非常に有意義な演題となったものと思います。当たり前と思わず、今後も知識の収集・アップデートを行い、明日からの診療に活かしてゆきたいと思います。
今回で第15回を迎えました本会が、ご参加頂いた方々の学習・診療の一助となれば幸いです。次回も有意義な会となることを祈念して、印象記とさせて頂きます。
コロナ禍を乗り越えて開催された第15回では、65名の先生方や視能訓練士の方々に現地参加いただきました。毎回素晴らしい先生方にご講演いただいております本会ですが、賑やかな懇親会も含め、今までに増して実りある勉強会となったと感じております。
今回も3名の素晴らしい先生方にご講演いただきました。
国際医療福祉大学熱海病院教授、後関利明先生にはサギングアイ症候群についてご講演いただきました。某テレビ番組での放送後、話題となったサギングアイ症候群ですが、自信を持って診断するにあたり、検査のコツや実際の手術について分かりやすく解説していただきました。佐倉フォーラムで神経眼科分野の講演があったのはこれまでで初めてとのことで、斜視や神経眼科についての理解が深まりました。
網膜疾患に対する硝子体手術が多く行われる当院では、頻繁に遭遇する黄斑前膜ですが、日本医科大学教授、岡本史樹先生のご講演ではOCTなどの他覚的検査ではなかなか検出しづらいコントラスト感度低下や変視など、患者様のQOLに関わる観点で詳しくお話しいただきました。予後不良となりやすい黄斑前膜の特徴など、改めて手術適応や患者様への手術説明などを見直す大事なきっかけになったと考えます。
福井大学教授、稲谷大先生には[ゆっくり解説]緑内障点眼薬2024と題して、その演題の通り、当医局に入局したての専攻医1年目でも理解できるように御丁寧に解説していただきました。近年複数の緑内障点眼薬が次々と発売されており、煩雑化しやすい配合剤ですが、うまくまとめてシンプルな処方を目指し、患者様のコンプライアンス向上に繋げることの大切さを再確認しました。
今回ご講演頂いた内容は復習・学習に非常に有意義な演題となったものと思います。当たり前と思わず、今後も知識の収集・アップデートを行い、明日からの診療に活かしてゆきたいと思います。
今回で第15回を迎えました本会が、ご参加頂いた方々の学習・診療の一助となれば幸いです。次回も有意義な会となることを祈念して、印象記とさせて頂きます。
文責:布瀬 萌