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ドライアイ

ドライアイとは

 なみだ(涙液)は厚さ7マイクロメートルほどの薄い膜で、眼の表面を常におおって眼球を守っています。涙液は、悲しい時や感動したときにだけ出てくるものではなく、上まぶたの中にある涙腺というところから少しずつ(1分間に約1マイクロリットル程度)分泌されており、まばたきをするたびに常時眼の表面に供給されています。
涙液は通常眼の表面には20~30マイクロリットルしか存在しませんが、これが眼の表面に酸素や栄養を供給したり、温度やpHを保ったり、異物の侵入から眼の表面を守ったりと非常に重要な働きをしています。この涙液の量が減ったり、質がかわったりして眼に不快感を与えたり、眼の表面のくろめ(角膜)やしろめ(結膜)に障害がおきる状態のことをドライアイといいます。
ドライアイはコンピューターをよく使う人やコンタクトレンズを装用している人にも多くみられます。さらに全身的に他の疾患があり二次的にドライアイになる場合があります。ドライアイをきたす全身疾患としては膠原病(シェーグレン症候群など)やリウマチが有名です。

ドライアイの症状

 ドライアイの症状は、単に「眼が乾く」だけでなく、眼の重い感じやだるい感じ、眼が疲れる、眼の違和感がある、眼を長く開けていられない、などといった症状を訴える患者さんも多くおられます。眼だけでなく頭が痛くなったり、視力低下を自覚したりする患者さんもいます。シェーグレン症候群の場合は眼の乾きのほかに口の乾きを感じることもあります。

ドライアイの治療

 ドライアイのおもな治療は人工涙液の点眼です。基本的にヒアルロン酸点眼と人工涙液があります。1日数回の点眼で改善する患者さんも多いですが、頻回(1時間に1回以上)に点眼をしないといけない場合もあります。頻回点眼が必要な場合は、点眼に含まれるわずかな防腐剤が角膜上皮障害をひきおこすことがありますので、防腐剤の入っていない人工涙液を使うことをお勧めします。
全身疾患(シェーグレン症候群やリウマチなど)を合併するドライアイの場合はステロイドの点眼が有効な場合もあります。また、血液の中の血清成分には角結膜上皮障害を治すはたらきがあり、自分の血清を生理食塩水で希釈した点眼(自己血清点眼)がドライアイに有効な場合もあります。自己血清点眼は作成できる施設が限られますので、各医療機関に問い合わせてください。当科では重症のドライアイ患者さんから採血をして遠心分離を行い、血清成分を抽出して自己血清点眼を作成し処方することが可能になっております。
 点眼治療で十分になおらない場合には涙点プラグという方法があります。これは、涙液が眼の表面から鼻の奥に通って抜けていく穴(涙点)にプラグを挿入することで穴をふさぎ、眼の表面の涙液の量をふやす治療を行います(涙点プラグ挿入術)。イメージとしては川の水をせき止めてダムに水をためるような感じです。涙点プラグの挿入は通常の外来診察で短時間におこなうことができます。涙点の大きさは患者さん個人で異なるので(穴の直径は約0.4mmから1.2mm)、その患者さんにあった大きさのプラグを涙点に挿入します。
プラグには固形のものと体温でゲル化するコラーゲンのものがあり、ドライアイの症状、各患者さんの状況に応じて使い分けています。

専門医による診察が必要です

ドライアイの患者さんは現在わが国で800万人から1000万人程度いるといわれています。眼が乾くといった症状以外にも様々な眼の症状でお困りの方にドライアイが隠れている可能性があります。ドライアイの程度も各人によって様々で、治療法も多岐にわたりますので、専門家による診察をうけることをお勧めします。