伝統の技術と最先端の医療、明日に向かって、前へ。
東邦大学医療センター佐倉病院眼科 関連リンク
English
東邦大学 教育・研究業績データベース【眼科学】

【お問い合わせ先】

東邦大学医療センター
佐倉病院眼科

〒285-8741
千葉県佐倉市下志津564-1
TEL:043-462-8811(代表)

翼状片

翼状片とは

翼状片は結膜(白目の部分)の下の細胞が異常増殖して、角膜(黒目の部分)へ入り込んできたために生じたものです。結膜は巻き込まれて角膜へ入ってきます。結膜には血管が豊富であり、そのため本来血管のない部位の角膜にその結膜が入るため黒目の部分が充血したように赤くみえるわけです。翼状片はふくれてこぶのようになっていますが、決して悪性のものではありません。
翼状片は通常鼻側から角膜中央部に向かって侵入します。翼状片が中央へ進むにつれ、その侵入した方向へ角膜が引っ張られ角膜の乱視が出現します。乱視がひどくなった場合や、翼状片が大きくなり黒目の中央にまで進行すれば視力は非常に低下します。

治療法

 炎症による充血がある場合は炎症を抑える点眼(ステロイドなど)で充血が少なくなることはありますが、基本的に点眼治療にて翼状片が退縮することはありません。進行すれば、手術をして切除する以外に治療はありません。

手術方法について

 通常、日帰り手術ですから入院の必要はありません。手術は角膜に侵入した翼状片の組織を取る手術で、局所麻酔でおこないます。手術時間は術式により多少異なりますが、15分から25分程度かかります。
翼状片は結膜の下の線維芽細胞が増えすぎたためにおこる疾患です。ですから、翼状片を手術で切除しただけでは、時間が経つとその細胞が再び増殖する可能性が高くなります。翼状片を単純に切除しただけでは再発率は50%までおよび、多くは手術後3ヶ月以内に再発します。 そのため、翼状片をとるだけでなく、その再発を予防する方法が必要となってきます。通常、翼状片を単純に切除するよりも、切り取った結膜部分に自分の正常な部分の結膜を縫い付けると再発率がかなり低下します。この方法は、結膜弁移植とか自己結膜移植といわれている方法で、当科では翼状片手術の全例にこの結膜移植を併用しております。自己結膜移植術を併用した場合の再発率は数%ですが、若い人(50歳未満)ほど再発率は高いと考えられています。
 再発を予防する方法として、手術中にマイトマイシンCという抗がん剤薄めて翼状片を切除した後の結膜にかける方法もあり、重症の翼状片や年齢が若い(50歳未満)の場合には併用します。抗がん剤には異常に増殖する細胞をとめる働きがありますので、この効果をもちいて翼状片の再発を抑えるわけです。この薬剤を手術中に5分間程度患部に触れさせて、あとはきれいに洗い流します。この方法を併用することで、再発率がさらに減少します。ただし、マイトマイシンCの使用では長い年月の間に強膜(白目の部分)が薄くなるといった副作用がありますが、きわめてまれです(1%未満)。

手術の時期

 翼状片による異物感やごろつくといった自覚症状があれば手術の対象です。充血がひどくて美容的に気になるという訴えも手術の適応となります。充血は点眼治療で減少することもありますので、数ヶ月間点眼治療で様子をみても充血が減少しない場合は手術の対象となります。
また翼状片の侵入が角膜へわずかであるときもしばらくは経過をみておいていいですが、翼状片の大きさが小さくなることはありません。翼状片が中央へ進行するにつれ、角膜の乱視が生じてきますので、そうなれば、手術の対象です。乱視があるかないかは自覚症状だけではわからない場合もありますので、眼科で乱視の検査をうけることが必要です。
手術する際、翼状片の先端が瞳孔(黒目の中央)付近にまで及ぶと、手術してもよい視力が得られないことがあるため、黒目の周囲から中央までの中間点に翼状片の先端が近づいた時期が手術の良い適応です。

専門医による診察が必要です

翼状片は比較的安全で短時間な手術ですが、手術後の再発を予防するために手術後の厳重な管理が重要です。そのため、手術後も定期的な眼科受診が必要となります。
翼状片がある方は、一度眼科で翼状片の程度、炎症の有無、乱視の程度などの専門的な検査をしておくことをお勧めします。