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検査・診断

1.細胞診断

肺がんや膀胱がんでは、痰や尿の中にがん細胞が混じることがあります(写真1)。痰や尿を顕微鏡で調べて、がん細胞がいるかどうかを判断するのが細胞診断(いわゆる「細胞診」)です。
子宮がん検診(写真2)では、子宮頸部から細胞をこすりとって調べます。甲状腺や乳房などに“しこり”があると、細い針を刺して吸引し、採れた細胞の中にがん細胞がいるかどうかを調べる場合もあります。1枚のガラスには無数の細胞がのっていますが、これらからがん細胞を見つけ出すことをスクリーニングといい、日本臨床細胞学会認定の細胞検査士がその任に当たります。
肺癌細胞・子宮癌細胞
●検体採取から診断報告までの日数の目安:2~4日
※特殊な染色や検索を行う場合には、さらに1~3日が必要となります。

2.生検組織診断

治療方針を決めるために、胃・大腸や肺の内視鏡検査を行った際に、病変の一部をつまみ採ったり、皮膚や筋肉内などにできた腫瘤の一部をメスなどで切り取ってガラス標本(プレパラート)にします。この検査を生検といい(写真3)、その診断を生検組織診断とよびます(写真4)。
生検
●検体採取から診断報告までの日数の目安:3~5日
※特殊な染色や検索を行う場合には、さらに1~3日が必要となります。

3.組織診断

手術で摘出された病変組織や臓器は写真撮影され(写真5)、病理医が肉眼で病変の部位、大きさ、性状、広がりを確認し(肉眼診断)、診断に必要な部分を必要な数だけ標本作製用に切りとります。国家資格をもつ臨床検査技師が、この病変組織や臓器のガラス標本(プレパラート)作製を行い、病理医が顕微鏡診断します。
この診断には、どのような病変がどれくらい進行しているか、手術で取りきれたのか、追加治療が必要かどうか、がんの場合には悪性の程度や転移の有無、術前治療の評価なども加え、治療方針の決定に役立つ情報が盛り込まれ、臨床医に提供されます。
胃癌の手術検体
●検体採取から診断報告までの日数の目安:3~5日
※特殊な染色や検索を行う場合には、さらに1~3日が必要となります。

4.術中迅速診断

手術中に15~30分で組織診断や細胞診断を行うもので、診断結果がただちに手術室の執刀医に連絡されます。手術前の生検診断が困難な病変の良・悪性や悪性度を判断し、手術方針が決定されます。また、切除範囲の確認あるいは転移の有無を確認する目的で行われ、手術の妥当性を判断します。
標本作製・診断ともに熟練を要しますが、手術の質を向上するために大変重要です。

5.病理解剖(剖検)診断

不幸にして病院で亡くなられた際に、主治医から患者さんのご遺体の解剖をお願いすることがあります。治療中、病態の把握が不十分であった場合や、特定の疾患として診断ができなかった場合などに行われます。生前の診断が正しかったか、病気の進行度はどうであったか、適切な治療が行われたか、治療効果はあったか、直接死因は何かなどが検討され、医師の資質向上のみならず、すべての医療従事者の教育、医療の質の向上・進歩に役立てられます。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
佐倉病院 病理診断科/病院病理部

〒285-8741
千葉県佐倉市下志津564-1
TEL:043-462-8811(代表)