診療科挨拶

変化しながら増える社会的ニーズに対応
機能と審美の両面から、患者の心身を支える診療科
形成外科【教授・診療部長】林 明照

キズアトが目立たず、元の形態・機能に戻す技術と理論を身につける
ケガや手術、腫瘍切除などで生じるキズや欠損、輪郭の不整がきれいに治り、目立たなくなるのは全ての患者さんの願いです。その実現のためには繊細で愛護的な手術手技を基礎に、あらゆる種類の皮膚移植術、脂肪移植術、骨・軟骨移植術を駆使するのはもちろん、理論に沿ったアプローチが必要です。
外傷や種々の腫瘍切除・修復・形成再建手術を通じて、キズ修復のエキスパートを目指します。また、機能再建では特に顔面神経麻痺や眼瞼下垂症手術等の顔面領域において、整容と機能の高いレベルでの両立を目指します。
全ての年齢層を対象に、全身のあらゆる部位を手術
形成外科の治療対象は特定の年齢層や身体部位に限局されるものではありません。顔面や四肢・体幹の先天異常では早期に手術を要する場合があり、性別を問わず全年齢層において整容面への配慮は必要です。患者自身のQOL、社会性、自己実現への意識も高く、特に顔面領域の形成再建手術では高齢者といえども整容面への配慮は重要です。
高度な技術を持って他の専門診療科と連携、多職種によるチーム医療を担う
形成外科は他科との連携が多く求められる診療科です。顔面神経麻痺の患者さんは最初に耳鼻科を受診するケースが多いですし、小耳症なども耳鼻科から紹介があります。先天異常のある子どもの患者さんは小児科や周産期科と、乳がん手術の後の乳房再建手術では乳腺外科と協力するなどの機会が多くあります。
また、高度肥満の患者さんは増加傾向にあります。外科手術や内科治療の後に、皮膚の形成手術を希望される方もいますので、内科・外科とのタイアップも増えていくことでしょう。
佐倉病院は各科の連携が取りやすく、研修医にとってもプラスになる面は大いにあると思います。また、佐倉病院内だけでなく、近隣の開業医を経てから当科を受診する患者さんも多く、院外の先生と連携を取る経験を積むこともできるでしょう。
小児科、耳鼻科:顔や手足の先天異常、顔面神経麻痺
外科、脳神経外科、整形外科:顔面・四肢外傷、顔面骨骨折、熱傷
乳腺外科:乳房再建
眼科:眼瞼下垂症、眼窩骨折
循環器科、糖尿内分泌代謝内科:重症下肢虚血、糖尿病性足潰瘍
肥満外科、糖尿内分泌代謝内科:高度肥満手術、輪郭形成術
皮膚科、外科、リハビリテーション科、薬剤部、栄養部、皮膚・排泄ケア認定看護師:褥瘡、難治性潰瘍