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感染症サーベイランス報告書

 

感染症サーベイランスに関する評価・改善グループ研究報告書の一覧

 感染症サーベイランスに関する評価・改善グループでは1998年より感染症発生動向調査のデータに関する有効利用について研究を行ってきた。下記に毎年の報告タイトル、概略と報告書ファイルをまとめた。

1. 厚生科学研究費補助金(新興・再興感染症研究事業)

「感染症発生動向調査(定点把握)における警告発生システム開発のための調査研究」
研究報告書(グループ長:永井正規)


 本報告では国内外でこれまで行われてきた警告システムを参考とし、過去の流行、届け出経験から得られる情報を用いて、それぞれの疾患の臨床的及び疫学的特徴を配慮して、警告発生方法を考案した。これは疾患それぞれに応じ、突発的増加、中間的増加、短期的流行、を関知し、警告する方法であり、簡便性、迅速性、理解可能性を重視して作られたものである。また短期的流行が考えられる疾患については警報だけでなく、注意報(これから警報を出すような状態になる可能性が高いことを知らせる)の発生方法も考案した。
ここに提案したのは、これまでの感染症発生動向調査には無かった全く新しいシステムである。そのため、これがどの程度有効に機能するかについて予断を許さない。今後の検討課題として挙げた各項目について、滞ること無く対応することがこのシステムを有意義なものに育てていくために必須であることを強調しておきたい。

平成10年度(1998) <H10(1998)01.pdf> pdf

2. 感染症対策の見直しに向けての緊急研究

「感染症サーベイランスの定点に関する分担研究班」研究報告書
(グループ長:永井正規)


 本報告では小児科定点、インフルエンザ定点、眼科定点、性感染症定点、の4種類の定点の数とその保健所への配分方法について、それぞれ5種類のケースを想定して提示した。保健所への配分にあたっては、患者数推定値の誤差を小さくすることだけでなく、一部の地域の流行を感知するという感染症発生動向調査の目的を損ねないことにも考慮した。それぞれのケースについて、過去の感染症サーベイランスによって得られたデータに基づいて全国年間罹患数推定値の標準誤差率を計算した。また4種類の定点それぞれの1ケースについて、一つの都道府県に大きな流行があった場合を想定し、その際の全国年間罹患数推定値の標準誤差率を計算した。小児科定点、インフルエンザ定点については、標準誤差率5%未満を目安とした定点設計を示し、これが妥当な選択であると考察した。眼科定点、性感染症定点については標準誤差率10%未満を目安とした定点設計を妥当であると考察した。

平成10年度(1998) <H10(1998)02.pdf> pdf

3. 厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症研究事業)

「効果的な感染症発生動向調査のための国及び県の発生動向調査の方法論の開発に関する研究」(主任研究者:岡部信彦(平成13-15年度)、谷口清洲(平成16—18年度))

「定点サーベイランスの評価に関するグループ」研究報告書
(グループ長:永井正規)
感染症発生動向調査に基づく流行の警報・注意報および全国年間罹患数の推計


 本報告では、感染症発生動向調査の運用システム、これに基づく警報・注意報発生システムと、全国罹患数の推計について、新しい感染症発生動向調査施行後3年(2001年度末)までの経過をもとに検討した結果をまとめた。また3年間の警報・注意報の発生状況をまとめ検討した。インフルエンザ、小児科定点対象疾患について1999年から2001年3年間の罹患数推計を実施した。また眼科定点対象疾患についての罹患数推計も行った。一部疾患については警報・注意報発生基準の変更を提案し、インフルエンザ、小児科定点対象疾患の罹患数推計をシステムとして導入することを提案した。

- その1-平成12年度(2000) <H12(2000).pdf> pdf

- その2-平成13年度(2001) <H13(2001).pdf> pdf

- その3-平成14年度(2002) <H14(2002).pdf> pdf

 本報告では主に定点把握対象疾患における警報・注意報発生および全国罹患数の推計について、新しい感染症発生動向調査施行後のデータを用いて、結果をまとめた。また感染症発生動向調査の情報の有効活用に関する検討として、4類5類感染症の中の全数把握対象疾患についての検討、基幹定点対象疾患についての検討を行い、さらに感染症発生動向調査の情報システムの改善方策について議論した。2005年の最終年には3年間の検討をふまえ、提言をまとめた。

- その4 -平成15年度(2003) <H15(2003).pdf> pdf

- その5 -平成16年度(2004) <H16(2004).pdf> pdf

- その6 -平成17年度(2005) <H17(2005).pdf> pdf

「効果的な感染症サーベイランスの評価並びに改良に関する研究」研究報告書
(主任研究者:谷口清州)

「疫学的・統計学的なサーベイランスの評価と改善グループ」研究報告書
(グループ長:永井正規)
感染症発生動向調査に基づく流行の警報・注意報および全国年間罹患数の推計

 本報告では前回と同様、感染症発生動向調査の定点把握対象疾患を対象に、警報・注意報発生、全国罹患数推計、全数把握対象疾患の検討などを中心に検討を行った。最終年の報告書では、1998年から開始した当グループの検討をふりかえり、検討の経緯と今後の課題について、定点の配置、警報・注意報の発生、罹患数の推計、その他の課題(全数把握対象疾患、情報システム)の4点をふまえ、その成果を統括した。

- その7 -平成18年度(2006) <H18(2006).pdf> pdf

- その8 -平成19年度(2007) <H19(2007).pdf> pdf

- その9 -平成20年度(2008) <H20(2008).pdf> pdf

4. 厚生労働科学研究費補助金(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)

「国際的な感染症情報の収集、分析、提供機能および我が国の感染症サーベイランスシステムの改善・強化に関する研究」(研究代表者:谷口清州)

「疫学的・統計学的なサーベイランスの評価と改善グループ」研究報告書
(グループ長:永井正規)

 本報告では①警報・注意報発生システム、②定点報告患者数からの全国患者数の推計、③患者数推計のための定点設計、④4類・5類感染症の全数把握対象疾患についての発生動向の観察評価の4つを主要課題として検討を進めた。補助変量を用いた罹患数推計の方法を提案した。

- その1-平成21年度(2009) <H21(2009).pdf> pdf

- その2-平成22年度(2010) <H22(2010).pdf> pdf

- その3-平成23年度(2011) <H23(2011).pdf> pdf

「自然災害時を含めた感染症サーベイランスの強化・向上に関する研究」(研究代表者:谷口清州(平成25年度)、松井珠乃(平成26,27年度))
「疫学的・統計学的なサーベイランスの評価と改善グループ」研究報告書
(グループ長:永井正規)

 本報告では、1.警報・注意報発生状況に関する検討、2.定点把握対象疾患の罹患数推計、3.インフルエンザの型別罹患数推計、4.性感染症の罹患数推計、5.補助変量を用いた罹患数推計、6.基幹定点対象疾患の検討、7.全数把握対象疾患の検討を課題に研究を進めた。補助変量を用いた罹患数推計を、実際に定点把握対象疾患に適用し、罹患数を推計し感染症発生システムへの導入を提案した。

- その1-平成24年度(2012) <H24(2012).pdf> pdf

- その2-平成25年度(2013) <H25(2013).pdf> pdf

- その3-平成26年度(2014) <H26(2014).pdf> pdf

5. 厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)

「新興・再興感染症の発生に備えた感染症サーベイランスの強化とリスクアセスメントに関する研究」(研究代表者:松井珠乃)
「疫学的・統計学的なサーベイランスの評価と改善グループ」研究報告書
(グループ長:永井正規(平成28年度)、村上義孝(平成29、30年度))

 本報告では、1.警報・注意報発生状況に関する検討、2.定点把握対象疾患の罹患数推計、3.インフルエンザの型別罹患数推計、4.性感染症の罹患数推計、5.補助変量を用いた罹患数推計、6.基幹定点対象疾患の検討、7.全数把握対象疾患の検討を課題に研究を進めた。補助変量を用いた罹患数推計を、実際に定点把握対象疾患に適用し、罹患数を推計し感染症発生システムへの導入を提案した。また全数把握対象疾患について、情報の有効活用の方法を提案した。

- その1-平成27年度(2015) <H27(2015).pdf> pdf

- その2-平成28年度(2016) <H28(2016).pdf> pdf

- その3-平成29年度(2017) <H29(2017).pdf> pdf

「マスギャザリング時や新興・再興感染症の発生に備えた感染症サーベイランスの強化とリスクアセスメントに関する研究」(研究代表者:松井珠乃(平成31年度)、島田智恵(令和2年度))
「疫学的・統計学的なサーベイランスの評価と改善グループ」研究報告書
(グループ長:村上義孝)

 本報告では疫学的・統計学的な視点から、感染症サ-ベイランスを評価し、必要な改善点・方法を検討・提案することを目的とし、グループ研究を実施した。1. 警報・注意報の発生、2. 罹患数の推計、3. 補助変量を用いた罹患数推計、4. 性感染症の罹患数推計、5. インフルエンザ型別罹患数の推計、6. 基幹定点対象疾患の検討、7. 全数把握対象疾患の検討、8. グループ報告書のアーカイブ化の8つについて検討した。その結果、水痘基準値の更なる変更の必要はないこと、RSウイルス感染症の罹患数推計は完成し警報の基準値設定が整いつつあること、補助変量による罹患数推計における異常値発生の防止に関する提言などが示された。

- その4-平成30年度(2018) <H30 (2018).pdf> pdf

- その5-令和元年度(2019) <R1 (2019).pdf> pdf

- その6-令和 2年度(2020) <R2 (2020).pdf> pdf

- その7-令和 3年度(2021) <R3 (2021).pdf> pdf

6. 厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)

「今後の新興感染症の発生時に備えたサーベイランス戦略と枠組みの開発」(研究代表者:谷口清洲)
「疫学的・統計学的なサ-ベイランスの評価と改善グル-プ」研究報告書
(グループ長:村上義孝(令和4年度))

 感染症発生動向調査のデータに対して疫学・統計学的検討を行った結果、本年度は新型コロナウイルス感染症流行の影響により、多くの対象疾患で警報・注意報発生や推計罹患者数の減少が観察された。RSウイルス感染症の警報発生では報告数の大幅増にともなう警報頻度の増加が観察された。定点配置の検討では、2017年と2020年の医療施設数の変化としては、2014年と2017年の変化と同様に小児科と産婦人科で減少傾向であった。2017年と2020年の施設あたり外来患者延べ数の変化としては、2014年と2017年の変化と比べて、小児科での低下が大きく、COVID-19による影響が大きいと考えられた。4類感染症と5類感染症全数把握対象疾患について2017~2019年の3年間と比較すると、A型肝炎やデング熱で減少傾向、日本紅斑熱をはじめとする6疾患で増加傾向がみられた。5類感染症の全数把握対象疾患では多くの疾患が減少傾向である一方、バンコマイシン耐性腸球菌感染症と梅毒で増加傾向であった。

-その1-令和4年度(2022) <R4(2022)_1.pdf> pdf