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平成27年度研修会(秋田)

日 時 平成27年10月10日(土)11日(日)
場 所 田沢湖芸術村 温泉 ゆぽぽ
第31回東邦会研修会は全国から66名が参加して10月8日・9日、島根県支部担当により島根県松江市にて開催されました。講演会は小泉八雲のひ孫で島根県立大学短期大学部教授の小泉 凡先生に「小泉八雲を現代に活かす」という演題でご講演いただきました。翌日の観光・ゴルフは絶好の秋晴れに恵まれ、交流を深める2日間となりました。

研修会ご挨拶

秋田県支部長 伊藤晴通(昭和58年卒)
いろいろと不手際もございましたが、多くの方々にお集まりいただきまして誠にありがとうございました。昨年春、我々ラグビー部は岩手医大との定期戦50周年の記念式典がありまして、その帰りに舳松先生と二人でワインを飲んでいるときにこの研修会の話がまとまった次第です。昨年の研修会に参加させていただき、参考にしたつもりだったのですがなかなかうまくいかず申し訳ございません。一番悩んだのは講演についてでした。講演者の半田和彦先生は実は娘の高校の歴史の先生です。「今日はこんな話しをしてくれた、とても興味深い話しだった」と、いつも娘から賞賛の声を聞かされておりました。この研修会の講演者を探しているときに秋田県の歴史にとても詳しい方ということで、半田先生のお名前が出てまいり、娘の先生であると気付きお願いしましたところ、快諾いただき今日を迎えました。半田先生、ありがとうございました。

第30回 東邦大学医学部東邦会 研修プログラム

講演会 17:30~18:30
開会の辞 秋田県支部長 伊藤晴通
ご挨拶 東邦会会長 舳松洋先生
演題 『御学館御製薬~秋田藩の製薬事業について~』
講師 秋田県立明徳館高校社会人講師・佐竹史料館協議会会長
   半田和彦先生
懇親会 19:00~21:00
司会 秋田県支部 高橋葉満子、秋田県支部 島田由美子
開会の辞 秋田県支部長 伊藤晴通
ご挨拶 東邦会会長 舳松洋先生
来賓祝辞 東邦大学理事長 炭山嘉伸先生
     東邦大学学長 山崎純一先生
     東邦大学医学部長 高松研先生
乾杯 東邦会副会長 松島正浩先生
~田沢湖芸術村 わらび座公演~
校歌斉唱
閉会の辞 秋田県支部長 伊藤晴通
写真撮影

講演会『御学館御製薬~秋田藩の製薬事業について~』
秋田県立明徳館高校社会人講師・佐竹史料館協議会会長
   半田和彦先生

講演要旨

「先用後利」と「他領商売勝手」の方針で庶民に広く利用された富山の置薬は現在でも通信販売で依然として確固たる存在感を示している。この富山置薬を江戸時代、秋田藩(佐竹20万石、外様国持大名格)は享保2年(1717年)に全国にさきがけてどこよりも早く領内での販売禁止を実施した。

人々にとって家庭の常備薬の富山置薬は藩の調査で年に2、000両余り買われていた。藩は他領への現金流出を防止するため藩校明徳館内の医学館で薬園や領民から購入した薬草(甘草、黄蓮、川 など)を原料に「御学館御製薬」と名付けた藩営の薬を作り、人々に配布するシステムを作りあげた。この事業は成功し「御国産」(藩の産業)となるまでに成長した。

更に、他領では機密扱いであった人参の栽培を画策し各地に隠密を送り10万粒余の種を入手し、有力家臣中心に人参組合を結成した。会津の人参師を密かに呼び寄せたが先方の知るところとなり、この事業は失敗する。藩による製薬事業は明治になり藩が消滅すると共に泡と消え今はこの事を知る人もいなくなっている。

略歴
1942年 秋田市生まれ
1965年 秋田大学学芸学部社会科卒業
湯沢北高校、本荘高校、県立博物館学芸主事
秋田南高校の各校教諭後、秋田北高校教頭。
秋田東高等学校校長で退職。
その後、県立図書館長(2003~2004年)
現在は、県立明徳館高校の社会人講師
佐竹史料館協議会会長。
論文
「秋大史学」58号 代知と上り地
「秋大史学」52号 秋田藩、富山売薬を排除
「出羽路」152号 男鹿の鹿狩り

懇親会にて

挨拶 舳松洋会長(昭和32年卒)
先ほど半田先生の薬品などに関するご講演をたいへん興味深く拝聴させていただきました。これからの診療にも役立てていきたいと思います。この研修会も回を重ねて30回を迎えました。伊藤先生からこの研修会開催の経緯をお話いただきましたが、ラグビーのOB会の試合で私が顔にちょっとした怪我をしまして治療していただいたお礼にワインをご馳走したところ二人であっという間に一本空けてしまいまして、二本目はこの研修会開催のお願いのためにご馳走させていただき、研究会の話がまとまりました。

来年は島根県での開催が決定しております。後ほど島根の小竹原先生からお話があると思います。再来年は宮城県を予定しております。年を追うごとにこの研修会が盛んになっていかれればと思っております。

大学関係のお話は後ほど炭山理事長や山学長、高松医学部長からご挨拶があると思いますが、9月から大学の執行部が新しく変わりました。今まで大学卒業の理事長は二期で変わっておりましたが、炭山理事長は三期目となり、今までの実績が認められた結果だと思います。大橋病院の建設など、責務が山積しておりますので引き続き炭山理事長には頑張っていただきたいと思います。いつも申し上げておりますが同窓会と母校は車の両輪のように密接な関係で機能していかなければならないと思っております。これからも物心両面から支援をして参りたいと思います。本日はお集まりいただき、ありがとうございました。


挨拶 炭山嘉伸理事長(昭和45年卒)
舳松会長からご紹介がありましたが、理事会にて満票をいただいたうえでの、三期目の理事長として重責を感じております。また本日はちょうど30回目という、この東邦会の節目の研修会にお招きいただき誠にありがとうございます。大学からは私と山学長、高松医学部長がお招きいただきました。残念ながら小原大森病院長、長谷大橋病院長、長尾佐倉病院長は公用のため、出席できませんでした。三病院長からくれぐれもよろしくお伝えくださいとの事、お伝えいたします。まずは伊藤先生、この研修会の開催、誠におめでとうございます。と、同時にご苦労様でございました。研修会を引き受けてから開催までは計り知れないご苦労があったと思っております。それから特別講演をいただきました、半田先生、素晴らしいご講演をありがとうございました。

私は香川県小豆島の出身ですが、あの島にも富山の薬売りが定期的に来ておりました。それは富山藩の政策であると同時に民衆から起こったことであるということを初めて知りました。そしてなぜ秋田がそのことを拒んだかということもよくわかりました。実は富山藩はリベートを取っていたのですね。それを秋田藩は敢然と否定したということです。このような背景があって富山には富山医科薬科大学として残っていますが、秋田大学には薬学部が無いということも初めて知り、驚きました。こうした歴史的なことは知れば知るほど興味深いものだと思いました。半田先生にはこうしたお話を楽しく聞かせていただき、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

さて東邦大学ですが、今年90周年を迎え6月14日、盛大な記念講演会、式典、祝賀会が行われました。
大学の状況では、山学長と高松医学部長はそのままですが、薬学部長は新しく田中先生が着任されました。理学部は高橋先生が留任、看護学部は新しく出野学部長になっております。三病院では小原大森病院長は留任。大橋病院長は長谷先生、佐倉病院長は長尾先生が新任しております。法人の状況ですが、830数億円が帰属収入です。そのうちの75%が医療収入です。先日、日本私立大学連盟理事長会議でシンポジストに選ばれ講演してきたのですが通常私学の場合は80%が学納金です。本学における学納金はわずか15%です。三病院の収支が法人全体を大きく左右するということであり、診療報酬がマイナス改定であったと同時に消費税が3%上がったがためにたいへん苦しいスタートを切っておりました。しかし三病院とも非常に頑張っておりまして前年度の収益を下回ることはございませんでした。これから下期に向かっても新しい病院長の下で期待しております。

(スライドを用いて90周年記念式典の模様のお話)
後ほど90周年記念ムービーもご覧いただきたいと思います。本日は第30回東邦会研修会にお招きいただきまして誠にありがとうございました。


挨拶 山崎純一学長(昭和51年卒)
本日は東邦会研修会にお招きいただき誠にありがとうございます。伊藤先生におかれましては、研修会開催にあたり、準備等も含めご苦労もありだったかと思いますが、御陰様で大変有意義な時間を過ごすことができました。厚く御礼申し上げます。

先ほど炭山理事長からお話がありましたように、理事長は本年度三期目に、私は学長二期目に入りました。今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。

さて、私にとりまして角館は初めての訪問地でしたので、少し早めに伺い武家屋敷を散策して参りました。先ほどの基調講演でお話のありました、解体新書の解剖図を実際に拝見することができ、日本の医学の歴史に触れた非常に印象深い経験でした。

ここで最近の大学の様子をお話しいたします。学長一期目の3年間を通して4学部教員の研究テーマや学生教育などについて、個別の面談を介して意見交換してきました。その結果、本学の教員の研究・教育に対する意気込みの素晴らしさを知ることができました。そして、本学が自然科学系の学部を有する総合大学であることから、その特色を活かして共通教育のさらなる拡大を目標に、これまでもいくつかの共通教育を実施してきました。直近では、医学部および薬学部の5年生による総合臨床講義、2年生の生命倫理に関する講義で構成された医薬合同教育プログラムを立ち上げました。

一方、教員の研究に関しても文部科学省・厚生労働省の競争的補助金等は、毎年コンスタントに増加傾向を示して推移しています。しかし、最近では研究不正や補助金不正使用などの話題がマスコミに取り上げられ、大学への社会の目は厳しさを増しています。そんな中、本学教員にはより高い倫理観を持ち、研究に携わって頂くことを希望します。また、炭山先生が理事長に就任されてからは、財政状況が安定し、新大橋病院、薬学部新棟、健康科学部新棟などの新規事業が順調に進行しております。さらに大森キャンパスの外構工事が終了し、習志野キャンパスにおいても新体育館、野球場、サッカー場が再整備されました。医学部では平成28年度新入生より国際認証に基づいた新カリキュラムが適用されますが、学修基盤型教育を志向し、アクティブラーニング等の導入による教育環境の整備もさらに進めて参ります。

最後になりますが、東邦会の今後益々のご発展と、皆様のご活躍とご健勝を祈念いたしまして、簡単ではございますが挨拶に代えさせていただきます。本日は第30回東邦会研修会にお招きいただきまして誠にありがとうございました。


挨拶 高松研医学部長(慶應医昭和53年卒)
医学部長二期目を務めさせていただいております高松でございます。本日は第30回の東邦会研修会にお招きいただきまして誠にありがとうございます。私からは現在の医学部の教育、それから大学院の状況につきまして簡単にご報告させていただきたいと思います。医学部の教育についてですが、半田先生のお話しにもございました通り、秋田県は小・中学校で全国一の水準を保っております。秋田大学医学部も医学教育で全国一を走っております。そのような地でご報告申し上げるのはややはばかられるところもあるのですが、本学の状況についてまず簡単にご報告させていただきます。

6年生の動向ですが、夏の医師国家試験模試を受け、8月の時点で全国3位という状況で、これは私が東邦大学に参りましてから20年間で初めての好順位です。これから少しずつ下がってくるかもしれませんが、これだけ良いのは初めてです。今まで一番良くても10位ぐらいでした。従いまして多少下がったとしても、来春の医師国家試験はこれまでを優に超えるのではないかとたいへん期待しております。期待倒れにならないようにあと半年、6年生とともに頑張って参りたいと思っております。それから教育改革につきましては、やや遅れておりましたが、2016年、来年の入学生から国際基準に基づいた医学教育カリキュラムをスタートさせる準備がやっと整いました。これを受けまして2020年に国際基準に基づいた認証評価を受けるべく、今準備を進めているところでございます。走り始めれば何とか順調にいくのではないかと期待しております。それから大学院ですが、大学院は年間約40名の大学院生を迎える状況になっております。

現在9月と2月に入学試験を行っており、9月分の入学試験は終わりまして20名の学生を来年度迎えるということになっております。2月のほうが例年多くの学生が応募して参りますので、来年も40名を超えることを期待しております。これに関しましては先ほど学長からもお話しがございましたけれども、研究体力が徐々に上がってきていることの裏付けになっていると思っております。今後とも研究実績を上げるとともに大学院生の教育にも尽力して参りたいと思っております。そしてこれらを支えるインフラにつきましては後ほど90周年の記念ムービーの中で理事長からご紹介があると思いますので、私のほうからは省略させていただきます。先生方には学部あるいは大学院等々含めまして日頃よりご尽力いただいておりますが、今後ともより一層のご支援を賜わりますようお願い申し上げまして、私からのご挨拶とさせていただきます。引き続き、よろしくお願いいたします。


ご挨拶 島根県支部長 小竹原良雄(昭和51年卒)
来年の東邦会研修会を開催させていただく予定の島根県松江から参りました。だいたい同じような日程で進めたいと思っております。少し遠いのですが、新幹線はありませんので、皆様飛行機でお越しください。東京から米子と出雲合わせて一日8便運行しております。改めてご案内いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

研修会を終えて

秋田県支部長 伊藤晴通(昭和58年卒)
この度、秋田県支部が同窓会研修会を担当させて戴き、10月10日・11日の日程で開催いたしました。

秋田県支部は会員数も少なく、広い土地にちらばっているものですから、当日参加できます会員も少なく、準備が十分でなかった上に、当日はあいにくの雨模様で、ご参加された先生方には十全のおもてなしができませんでしたことを心よりお詫び申し上げます。

また、今回は企画立案が1年数ヶ月前からになりまして、秋田市のホテルは一杯であったこと等から、県都を外れ、市外の観光地で開催させて戴きました。田沢湖、角館という、秋田の誇る観光地でしたが、半日では充分な時間がとれず、皮肉にも広い秋田を御実感戴いた様に思います。

講演はご紹介にもありますように、県の教育畑を長らくご経験し、県立図書館長も歴任されました半田和彦氏に、医学に関連の深い『秋田藩御製薬』と云う貴重なご講演を戴きました。次の日の角館観光でも、ご講演内容と関係のある『ターヘルアナトミア』の実物を見ることができ、秋田県の意外な歴史資料の存在にも驚いた次第です。また折角秋田藩が全国で先駆けた、藩による製薬事業も、廃藩とともに管轄責任部署が消滅し、この貴重な事業が立ち消えになったという事実は、歴史の重さと複雑さを象徴しているようで、深い感動を以て効かせて戴きました。

懇親会では、舳松会長のご挨拶の後、理事長炭山先生のお話を戴き、発展やまない東邦大学の現状と、27年6月に行われた盛大な九十周年記念事業の模様もスライドにて見せて戴き、感激いたしました。更に学長山先生、医学部長高松先生の大学の現状ご紹介もあり、大森を離れて久しい我々同窓生にもとても有り難いお話でした。懇親会の後の二次会も大変盛り上がり、遅くまで歓談の賑わいが続きました。

第2日の観光とゴルフは前述のように雨にたたられましたが、御参加の先生方が少しでもお楽しみになられ、また、お風邪などおめしにならなかったことをお祈りするのみです。私がゴルフを致しませんものですから、ゴルフの準備は山形県支部長の横澤先生にご助言を戴きながら、埼玉県支部でラグビー部後輩の理事池田先生に多大なる働きを戴きました。併せてこの場を借りて感謝いたします。

来年は島根で行われるとの事で、島根県支部にはご準備大変なことと思われますが、何卒今年度の不足分まで盛り上げて戴けたらと存じます。また再来年、再々来年は北海道、仙台との予定が決まったとのこと、何卒皆様のご参加を戴きますようお願い申し上げます。参加してみますと本当に楽しい2日間となる事が御実感戴けると思います。

ご参加下さいました先生方への深甚なる謝意と、来年度以降の再開を記念しながら、研修会後記とさせて戴きます。

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