開票率と速報(1)

 この週末、大阪で住民投票がありました。
また、アメリカ大統領選挙も近づいています。
そこで、開票がすべて終了しないのに
選挙速報が出るしくみについて簡単に説明したいと思います。

ポイントは誤差です。
全ての開票が終了した時の投票結果を全体とした時、
開票中の段階の結果は誤差を含んだ状態です。
例えば、投票者が1万人で賛成か反対かを決する選挙を想定します。
開票率1%の時点、すなわち、100票を開票した状態で、
賛成が45%(45票)、反対が55%(55票)だったとします。
この情報から、1万票を全て開票した時の票数について
95%信頼区間をつけて予測すると、賛成は3525~5475票、
反対は4524~6475票となります。賛成と反対で重なる部分
(4524~5475)があり、必ずしも反対が賛成を上回るか
断定できません。同様に、開票率10%の時点で賛成45%反対55%
だったとすると、終了時の得票数は賛成4192~4808票
反対5192~5808票と重なる部分がなくなり、
反対票が賛成票を上回ることが95%の信頼水準で予測できます。
これが、速報の仕組みです。計算の仕方や信頼区間・水準については、
また明日に。

投稿者:教員

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