梅毒の流行

この数年、感染症のニュースを耳にすることが多いですね。

実際に感染者が多く発生している上に、

人々が感染症に関心を持つようになったものと思います。

今回は前から確認したいと考えていた「梅毒」のデータを調べてみました。


グラフは2017年から2023年までの「感染症発生動向調査」

各年第52週までの累積報告数を示しています[1]。

2024年の第24週までの累計数が多い上位4都府県を抜粋しました。
https://webrelease.toho-u.ac.jp/WebRelease2/img.-.ja_1694055858@@@k-hozon.gif
参考までに、2023年の第52週までの累積報告数総数は14,906でした。


東京都、大阪府、愛知県は2018年から2020年にかけて減少傾向を

示していましたが、2021年から増加に転じ、2022年に急増

していることが分かります。


梅毒は、梅毒トレポネ−マによる細菌性の性感染症です。

治療には抗菌薬が有効ですが、適切な抗菌薬治療を受けなければ、

晩期顕症梅毒(ゴム腫、心血管症状、神経症状など)を発症する可能性があります。

また、母子感染による、流産、死産、先天梅毒などの可能性があります。


15世紀末にヨーロッパで大流行したことが記録されています。

その後もヨーロッパでは重大な健康問題であったようです。

ペニシリンによる治療法が確立されるまで、水銀療法やユソウボク、

サルバルサンによる化学療法、マラリア療法など様々な治療が行われたようです[2]。


人類と感染症の戦いはなかなか終わらないようです。


参考文献
[1] 国立感染症研究所ホームページ. https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html (最終閲覧日:2024年6月30日)
[2] 加藤茂孝. 「梅毒」—コロンブスの土産、ペニシリンの恩恵.モダンメディア.2016;62(5): 173-83.

梅毒の流行

投稿者:教員

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