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アンジーの選択を皆さんはどのように考えますか?

投稿日:2013年05月22日00時00分|投稿者:管理者|カテゴリー:未設定

「アンジェリーナ・ジョリーが乳がんを発症するリスクが高いことから、予防的に乳房を切除する手術を受けた」というニュースが、全世界をかけめぐりました。

 皆さんは、このアンジーの選択をどのように考えますか?

 私は、がん看護の中でも、まさしく今回注目の的になっている、遺伝性のがんに関する看護を専門としています。現在も、聖路加国際病院で遺伝カウンセリングを担当しています。

 「BRCA1」と「BRCA2」は、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の発症に関わっている遺伝子として、1994年、1995年に同定されました。BRCA1は、日本人の三木義男先生(現がん研究所  遺伝子診断研究部  部長)によって同定されたのです。これは、素晴らしいことです。

 そして、現在、その遺伝子の変異を有するか、有しないのかについて、遺伝子検査を行うことができ、変異をもっていることでの、乳がんや卵巣がんの発症リスクを推定できるようになってきました。
 
 その結果、「いつか発症するかもしれない」と思いながら日々を苦悩とともに過ごされる方にとっては、がんになる可能性が高い部分を手術で切除する、ということは、貴重な選択肢の一つになるのだと思います。

 ニュース番組を見ていますと、多くの方々は、「がんになっていないのに切除するなんて」、「早期発見できれば治るのだからそれからでも遅くない」といった主旨の発言をされていました。

 たしかに、一般的に考えると、がんになっていないのになぜ手術するのか、と思うでしょう。あまりに衝撃的な対処法と捉えるのかもしれません。

 遺伝カウンセリングでは、遺伝子検査や予防的な手術を「勧める」ことは、絶対にしません。遺伝カウンセリングで一番大事なことは、乳がんや卵巣がんを発症しやすいと思われる方々に、現時点での情報を包み隠さずお伝えして、そこからどのように選択していくのかを一緒に考えていくことです。
 情報を知ることでお辛いこともあるかもしれません。しかし、「知らされない」で、限られた情報からの選択ではなく、必要な情報はきちんとお伝えすることは必要です。
 以前、がんの告知がご本人には行われず、家族にだけ伝えて、本人の自己決定はなく、家族も真実を告げられず、最期まで「さよなら」を言えずにいた、という時代がありました。
 替えのきかない「命」についてですので、隠すことなく、共に考えたいのです。

 そして、「がんになってからでも・・・」と発言される方は、きっとあの治療の苦痛をご存知ないのかもしれませんね。風邪のように一過性の治療で済むものではなく、ひとたびがんと診断されると、今度は再発するのではないか、転移したのではないか、と不安とともに過ごされる方がおられます。
 
 そんな思いをしたくないから、がんを発症する前に切除してしまいたい、という思いを、私たちは否定してはいけないのではないでしょうか。
 
 何度も言いますが、遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリングを担当している医療者は、誰も、予防的な手術を勧めてはいません。
 しかし、新たな医療情報を丁寧に伝え、一緒に考えていっています。そして、遺伝性ですので、ご家族にも関係することですので、ご本人を中心にご家族も含めて、世代を超えて長期的に対応する覚悟で、誰もが取り組んでいます。
 情報の良しあしを判断するのは、ご本人ですので、あたたかく見守っていただける世の中であってほしいと切に願います。

大学院のオープンキャンパスを開催します

投稿日:2013年05月13日00時00分|投稿者:管理者|カテゴリー:未設定

 2014年度の東邦大学大学院看護学研究科の入試にむけて、オープンキャンパスを開催します。

 開催日時:2013年6月22日(土)、16:00-17:30
 場所:東邦大学看護学部
 ≪予約不要≫

 当日は、看護学研究科に関する説明、奨学金について、入学試験や過去の問題の閲覧、そして在校生との質疑応答などを予定しております。
 
 ・大学院ってどのようなところなのか知りたいかた
 ・大学院入試の前には、どんな勉強をしたらよいのか
 ・現在、大学院に通っている方々はどのように生活しているのか、などなど

 具体的に受験を考えておられる方も、そうではない方も、お気軽にお立ち寄りください。
 まずは、寄って来ていただいて、東邦大学の大学院について知ってください。
 
 そして、受験してみようかなーと思われましたら、該当する教員と個別に面談を行ってみてください。
 予約は不要ですので、まずは寄ってみてください。

 大学院HPにも掲載しています。
 http://www.nurs.toho-u.ac.jp/information/info2013_index/news20130510.html

戴帽式が終わりました

投稿日:2013年05月13日00時00分|投稿者:管理者|カテゴリー:未設定

 看護の日を迎える前の、5月10日、本学では戴帽式を挙行いたしました。大学では行われないセレモニーかもしれませんが、東邦大学看護学部では、毎年粛々と行われます。
 学生は、半年以上も前から、歌を決め、自分たちの思いを込めた誓詞を作成し、何度も何度も自主的な練習を行い、5月10日を迎えました。当日は、それはそれは厳かで、参加されたご家族や来賓の方々、先輩や後輩、そして教職員など会場をうめつくしたみなさんに、2年生の力強い思いが伝わった素敵なものでした。9月には臨地実習もありますが、患者さんの前にたつ責務と自覚を培っていってほしいですね。この先の成長も楽しみにしています。