ベチバー

ベチバー

インド原産で、タミル語の「まさかりで刈る」という意味の“ Vetiverr”に由来します。インドでは「薫り高い根 」という意味の“Khus ” と呼ばれることから、和名をカスカスガヤといいます。草丈は2m以上にもなり、根に香気がある大型の多年草です。茎は直立し、狭線形の葉は根茎から叢生します。日本では鹿児島県で少量ですが栽培されています。根茎から採る精油は揮発性が少ないため香水の保留剤として用いられます。例としては、シャネルの#5のベースノート(12時間ほど香る香水の余韻)に使用されています。花期は10月中旬~12月、長さ30cm程度の円錐花序に紫色の小花をつけるそうですが、当園ではまだ咲いたことはありません。根は、活性炭の1.3~1.5倍の高い消臭効果があることから、消臭剤として商品にもなっています。また、九州大学農学研究院と企業の共同研究で、ゴキブリを100%寄せ付けないという研究結果も報告されています。

学名

Vetiveria zizanioides

科名

イネ科

利用部位

根茎⇒乾燥させて使用します。

利用法

根茎⇒水蒸気蒸留で精油(ベチベル油)・・・揮発性が少ないので香料もしくは香料の保留剤として用います。 
煎液は浴湯料に。
粉末にして衣類の防虫にサシェ(香り袋)として。
マレーシアや北米では、この根をマットに詰めて、芳香のする壁掛けなど使うこともあるそうです。

効能

発汗⇒根茎を冷浸剤で。
強壮⇒煎液を浴湯料として。・・・鎮静作用もあります。
防虫、消臭。

成分

芳香成分としてベチベノール、ベチベン酸からなるエステルおよびベチベン

お問い合わせ先

東邦大学薬学部付属
薬用植物園

〒274-8510
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