ダリア

ダリア

メキシコからグアテマラの高地が原産地で、切り花や花壇用に栽培される多年草です。日本には天保12年(1841年)にオランダからの輸入とされています。地下には淡褐色のさつまいも状の塊根が数個集まってついており、春にこの塊根から中空で円柱形の茎を地上部へ伸ばし、よく分枝します。草丈は1~2m。葉は対生、1~3回羽状に深裂し、裂片には荒い鋸歯があります。開花時期は初夏から秋で、各枝先に数個の頭花をつけます。頭花の周辺に雌性の舌状花、内部には両生花の管状花があります。果実は扁平で冠毛のない痩果です。
現在では花弁の種類、豊富な花色の園芸品種が多数有ります。名前の由来は、スウェーデンの植物学者アンドレアス・ダール(リンネの弟子)の名前から付けられましたが、明治の終わり頃から日本ではそれを縮小してダリアと呼んでいます。和名はテンジクボタン(天竺牡丹)ですが、この場合の天竺とは中国ではなく南蛮(アジア以外の外国)を指し、また一重咲きの花がボタンに似ていたためこの名前になりました。 
昔からダリアの葉は有毒だといわれていましたが、最近では有毒物質は検出されていないとされています(原色牧野和漢薬草大図鑑)。しかし塊根には多量のイヌリンを含んでいるため、大量に食さない方がよいでしょう。

学名

Dahlia pinnata

科名

キク科

利用部位

塊根⇒秋に掘りあげ、水洗いして用います。

利用法

果糖⇒塊根を細かく砕いて水に入れ、水酸化カルシウムで弱アルカリ性にして加熱してから布で漉したのち、脱色炭で脱色したものを濃縮するとイヌリンが得られます。これに水とシュウ酸を加えて沸騰させながら加水分解すると果糖となります。それを炭酸カルシウムで中和し、結晶として精製します。

効能

主に果糖注射液として医師が用います⇒体液や栄養補給に。

成分

キクイモ同様に塊根⇒多量のイヌリンとクロロゲン酸を含有。
葉⇒クマリン類、フラボノール配糖体、消化酵素インベルターゼ。

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