ハシリドコロ 有毒
北海道を除く各地の山野の陰湿地に自生する日本固有種の多年草です。太い根茎は曲がっていて、その先端から地上茎を出します。茎は直立し、葉は長楕円形で両端は尖り若葉裏面に隆起しています。花期は4~5月、葉脇から1個の花を下垂します。花冠は鐘型で、外側は暗紅紫色で、内側は淡黄緑紅色で、先端は5裂しています。名前の由来は、根がヤマノイモ科のオニドコロに似ていて、中毒症状が狂騒状態となって泣きわめきながら走り回ることからついた名前です。
漢名で莨菪(ろうと)というのは、同じナス科の中国産のヒヨスという全く別のものです。ハシリドコロには漢名はありません。
漢名で莨菪(ろうと)というのは、同じナス科の中国産のヒヨスという全く別のものです。ハシリドコロには漢名はありません。
学名
Scopolia japonica
科名
ナス科
生薬名
莨菪根(ロ-トコン)
利用部位
根茎、根
利用法
全草が有毒です。根茎に特に多く有毒成分を含みますが、茎や葉も危険ですから、素人がそのままで用いるのは危険です。
効能
ロートエキス⇒消化液分泌抑制、鎮痙作用がありるので胃、胃酸過多、胃痛、十二指腸潰瘍などに。
アトロピン⇒瞳孔拡大作用があり、眼科治療に。
スコポラミン⇒鎮静催眠作用。船酔い、モルヒネによる嘔吐、無痛分娩に。
アトロピン⇒瞳孔拡大作用があり、眼科治療に。
スコポラミン⇒鎮静催眠作用。船酔い、モルヒネによる嘔吐、無痛分娩に。
成分
アルカロイド⇒ヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミン、アポアトロピン
クマリン類⇒スコポレチン、スコポリン
クマリン類⇒スコポレチン、スコポリン