フクジュソウ

フクジュソウ 有毒

北海道から本州、四国、九州まで全国各地の山地の林下や林の縁に自生する多年草です。分布は朝鮮半島、中国北東部、シベリア東部に及びます。茎は10cm~30cmの高さに直立して伸び、しばしば分枝します。花は2~4月、新芽と共に茎の頂に花径3~4cmの黄色い花を開花。花弁は20~30枚あり、日中は開き、夕刻にはつぼみます。花後根茎に近い部分の葉は鞘状となって縁には鋸歯が無く、それより上部では3~4回羽状に細裂した複葉の葉を展開します。
別名を元日草と呼ばれ、お正月用として暮れの頃から促成栽培した鉢植えがよく出回ります。開花期間が長いことから、長寿にあやかろうとして人気があったようです。また黄金色の花から黄金を連想することなどから、長寿と幸福を組み合わせて福寿草の名になったといわれています。しかし見た目と違い、全草特に地下部の根と根茎に毒成分が多いので、素人療法は危険ですから絶対に用いないでください。
余談ですが、ハーブでは英名でイエローフェザンツ アイYellow Pheasant's Eyeと呼ばれるセイヨウフクジュソウAdonis vernalisが用いられますが、学名のAdonisはギリシャ神話に登場する青年の名前で、この花は彼の血から生まれたと伝えられています。

学名

Adonis amurensis 

科名

キンポウゲ科

生薬名

福寿草根(フクジュソウコン)

利用部位

根および根茎⇒根および根茎を堀りあげ、水洗い後日干しします。

利用法

福寿草根は毒性が大変強く、容量を誤ると心臓麻痺を起こして死に至りますので、民間、家庭薬では絶対に使用しないでください。心臓病によいといわれて根を煎じて服用し、心臓麻痺を起こした死亡例がありますのでくれぐれも使用しないでください。

効能

福寿草根は浸剤、チンキ剤として強心、利尿薬としてジギタリスの代用とされます。
しかし毒性が大変強いので容量を誤ると死亡します。

成分

全草に強心配糖体のシマリン、ソマリン等。

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東邦大学薬学部付属
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