イブキトラノオ

イブキトラノオ

北海道から九州、および北半球の山地や高山の草地に生える多年草です。滋賀県伊吹山に多いことが名の由来です。茎は直立して30~80cm程、葉はギシギシに似た長楕円形。花期は7~9月、伸びた花茎の先に円柱形の花穂を直立し、5cmほどの淡桃色の花を密につけますが、これは花弁ではなく萼が発達して花弁様になっているものです。花後、痩果を結び、三稜形の黒く光沢のある種子をつけます。根茎は黒く太く、下部は横向きになりS字形に曲がりひげ根が多いのが特徴で、その姿から古くはエビグサと呼ばれていました。
近縁種のムカゴトラノオP.viviparumの根茎も同じように使われていますが、ハルトラノオ、ナンブトラノオは薬用には使用されていません。

学名

Polygonum bistorta L.

科名

タデ科

生薬名

拳参(ケンジン)

利用部位

根茎⇒10月頃に堀りあげ、水荒いした後、日干しにします。(輪切りにしてから干すと乾燥しやすくなります)

利用法

下痢止めに⇒乾燥根茎を1日量6~10gを水200ccで煎じて1日3回服用。食前食後に関わらず服用して構いません。
口内炎に⇒上記と同様の煎液で、冷め加減のときうがいします。

効能

抗菌作用、鎮席作用、止血、解毒、下痢止め、口内炎に。

成分

タンニン、オキシアントラキノン

お問い合わせ先

東邦大学薬学部付属
薬用植物園

〒274-8510
千葉県船橋市三山2-2-1
TEL:047-472-1349


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