ジャノヒゲ

ジャノヒゲ

日本各地の山地の樹陰に自生し、人家、庭園、公園に植えられる常緑の多年草です。中国、朝鮮半島に分布し、日本が分布の東限とされています。葉は根生で叢生し、30~40cmの線形か広線形の葉は全縁で反り返って直立します。根は太く匐枝をつけ拡がっていて、一部は紡錘状に肥大しています。その肥大した部分を薬用として使います。花期は7~8月、葉の間から葉よりは短い花茎を伸ばし、花茎の先に総状花序で淡紫色の小さな花を蜜につけ種子は球形で藍色です。よく似た植物にヤブランがありますが、ジャノヒゲ属の花は下向きに咲き、種子は藍色ですが、ヤブラン属の花は上向きに咲き、種子は緑黒色か黒色なので、見分けられます。名の由来は能面の翁の髭を尉(じょう)の髭といい、それが転訛してジョウノヒゲからジャノヒゲになりました。

学名

Ophiopogon japonicus 

科名

キジカクシ科

生薬名

麦門冬(バクモンドウ)

漢方

麦門冬湯に処方

利用部位

根の肥大した部分⇒7~8月頃掘りあげて、水洗い後広げて日干しします。

利用法

鎮咳、去痰に⇒乾燥した根(麦門冬)1日量7~10gに水500mlを加え、半量になるまで煎じ詰めたものを、3回に分けて温めて服用します。

効能

鎮咳、去痰、滋養強壮

成分

ステロイド配糖体のオフィオゴニン

お問い合わせ先

東邦大学薬学部付属
薬用植物園

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