カシグルミ

カシグルミ

日本各地でで栽培される雌雄同株の落葉高木です。北半球に多いクルミですが、その種類は数百種あるそうで、日本には、江戸時代に中国からペルシャグルミ(セイヨウグルミ)の変種が導入されたといわれています。菓子の原料に用いられることが名の由来です。また別名はテウチグルミと言います。殻が薄く手でも割れるので、手打ち胡桃と表されますが、そう簡単には手では割れません。たいていの人は槌やくるみ割りの道具を使います。市販されているクルミは本種を指します。樹高は10m近くになり、樹皮は灰色で縦に割れ目があり、葉は奇数羽状複葉の互生です。花期は5月頃、前年から延びた枝の葉腋から緑色の長さ10~15cm程の雄花花序を垂らします。雌花は新枝の先に上向きに数個つけます。私たちが口にするのは種子の堅殻を割って取り出す子葉の部分です。材は堅く建築用材や工芸品に利用されます。単にクルミと言えば、古くから利用されていたオニグルミを指します。

学名

Juglans regia var.orientis

科名

クルミ科

生薬名

種子⇒胡桃コトウジン
未熟果皮⇒胡桃青皮コトウセイヒ
未熟果実⇒胡桃緑実コトウリョクジツ
堅果皮⇒胡桃殻コトウコク

利用部位

未熟果皮、種子、樹皮。

利用法

果実⇒食用に。秋に採取し、生食、菓子材料。
果実油⇒薬用、油絵具にも。
葉・未熟果実・樹皮⇒薬用。夏に採り生のまま用いて、草木染に。
⇒建築資材、工芸品。

効能

頚部リンパ腺炎⇒乾燥葉3gを水300mlで煎じて服用。
毒虫の刺傷⇒煎汁を外用。
漆かぶれ⇒必要時、樹皮を剥いで、煎汁で患部を洗います。

成分

樹皮⇒ユグロン、タンニン、フラボノイド
⇒ヒドロユグラン、ケンフェノロール-3-クルコシド、没食子酸
種子⇒脂肪油、リノール酸のグリセリド
未熟果実⇒タンニン、クエン酸
堅果皮⇒ペンチサン、ヤンニン

お問い合わせ先

東邦大学薬学部付属
薬用植物園

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