キキョウ

キキョウ

朝鮮半島、中国などのアジアの温帯に分布しており、日本各地の、日当たりの良い乾き気味の草原に野生する多年性草本です。草丈は40~100cm、丸い茎は直立し、上部で枝分かれします。披針形の葉は互生ですが、稀に輪生のものもあり他の植物と見間違うことがあります。葉裏は少し胚白色。根、葉、茎は傷つくと、白い乳液を出し、この乳液は、山で漆にかぶれた時に塗布するとよいとされています。蕾は開花するまでは繋がっていて、英名でバル-ンフラワ-(balloon flower)といわれるように風船の形をしていますが、6~9月には開いて星形の花を咲かせます。黄土色の根は太く多肉質です。野生のほとんどは青紫色の一重ですが、江戸時代には多くの品種が作られ、白花や二重のものがよく知られています。
別名をオカトトキと云いますが、その意味は“岡に咲く神草”といわれ、“更に吉”の意味もあってか、武士には好まれたようで、図案化した桔梗紋はたくさんあります。当時の野原には、どこでもあった植物だったのでしょう。しかし近年では、自生の株は減少しており、1991年から整備された日本レッドデータでは、絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。

学名

Platycodon grandiflorus

科名

キキョウ科

生薬名

桔梗根(キキョウ)

漢方

強壮、排膿、去痰に配合されます⇒桔梗油、荊芥連翹油、十味敗毒油

利用部位

根、桔梗根

利用法

根、桔梗根⇒3~5年目の根を地上部が枯れる頃から翌3月頃までに掘り採り、細根を取り除いて水洗いして日干しします。そのままでは太く乾燥しにくいので外皮を剥いて、細かく刻んでから風通しよく乾燥させます。
  • 喉の痛みや痰を伴う咳に 桔梗根単味では苦く飲みにくいので、薬局で甘草を求めて加えると飲みやすくなります。1日量、桔梗根2g、甘草3gを煎じて、1日2回、うがいしながら服用します。
  • 食用に
⇒アクが強いので、根を流水に数日浸して、外皮を柔らかくしてから取り除き食用にします。漬け物や山菜として。 若い芽⇒ソバナやツリガネニンジンのように山菜として。
⇒滲み出た乳液を拭き取り、3倍量のドライ・ジンに浸けると数時間できれいに色づき、リキュールとなります。

効能

鎮静、鎮痛、鎮咳、去痰、抗炎症、末梢血管拡張作用、痰を伴う咳、化膿性の腫れ物、喉の痛みに。

成分

サポニン、ベツリン、イヌリン、ポリガラシンD、プラチコジンA.C.D.
桔梗紋を家紋とした代表的な武将 (金園社刊・「図解いろは引 標準紋帖」より)

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