ノイバラ
日本各地、朝鮮半島に分布していて、原野や川岸などに普通に生える落葉低木です。茎は斜上又は直立し良く分枝し、枝には鋭い棘があります。葉は小葉のある奇数羽状複葉で、小葉は1~4対で長さは2~3cm、葉裏には毛があり、柄に托葉が密着しています。花期は5~6月、花色は白色か淡紅色、芳香のある5弁花を円錐花序につけます。偽果は球形です。堅果はその中に5~10個入っています。よく似ているのにテリハノイバラR.luciaeがありますが、こちらの葉には光沢があり、地面に平伏するように伸びています。花期はノイバラより遅い6~7月で、ノイバラより大きい3~3.5cmほどの花をつけるので、見分けられます。近縁種にはこの他に四国、九州に自生するツクシイバラR.multiflora var. adenochaeta、富士、箱根の高山に自生するフジイバラR.luciae var. fujisanensisがあり、同様に用いられます。また中国原産、蔓性のナニワイバラR.laevigataは、大阪の植木屋から広まったので命名されたものですが、これも薬用として用いられています。
学名
Rosa multiflore
科名
バラ科
生薬名
営実(エイジツ)
利用部位
偽果⇒真紅色に熟す一歩手前のまだ青みがかったものを採取 (花は薬用としません)
利用法
利尿、下剤⇒1日量2~5gを600ccの水で半量になるまで煎じ食間に3回に分けて飲用。
おでき、ニキビ、腫れ物⇒上記の煎液で患部をよく洗います。腫れ物には煎液での冷湿布も効果があります。
おでき、ニキビ、腫れ物⇒上記の煎液で患部をよく洗います。腫れ物には煎液での冷湿布も効果があります。
効能
利尿、下剤、おでき、ニキビ、腫れ物
成分
フラボノイド配糖体のムルチフロリン、クエルセチン、ルチノサイド
紅色素のリコピン
紅色素のリコピン