オキナグサ 有毒
本州、四国、九州の日当たりのよい山野に生える多年草です。習志野でも普通に見られたのですが、今では自生のオキナグサは見ることが出来なくなっています。草丈は30cmほど、全体に白毛を密生していて、根生葉は長い柄のある2回羽状複葉で叢生しています。花期は4~5月、葉間から花茎を伸ばし、先端に暗赤紫色の鐘形で3cmの花を一つ下向きに開きます。花色は赤味の強いのもあり生育地域によって微妙な違いがあるようです。花びら状の萼の外側は長い白い毛で覆われて、内側は暗赤紫色です。花の後に出来る痩果が、翁の白髪をおもわせることが、生薬名の由来です。地方によって別名も多くオバシラガ、ウバシラガ、カワラノオバサン、フデグサなどがありますが、花後の種子の散る寸前の姿を見れば頷けます。地方によって花色が赤紫、緑花などもあります。
近年、観賞用として花が大きめの赤、紫、白、黄色などのセイヨウオキナグサが出回っています。在来種の花は外来種に比べやや小振りで、花弁に見える萼片に厚みがあることで、区別することができます。
近年、観賞用として花が大きめの赤、紫、白、黄色などのセイヨウオキナグサが出回っています。在来種の花は外来種に比べやや小振りで、花弁に見える萼片に厚みがあることで、区別することができます。
学名
Pulsatilla cernua
科名
キンポウゲ科
生薬名
白頭翁(ハクトウオウ)
利用部位
根⇒夏から秋に掘りあげて根を採取し、水洗いしてから日干しします。太いものは縦割りに。
利用法
漢方処方、医師の処方によって使用すること。
効能
解熱、下痢、腹痛、歯痛等に鎮静作用があり、消炎、収斂、発汗、止血出血性下痢などに応用されますが、有毒植物ですから、一般では使用しないでください。民間療法では根や葉の絞り汁を外用できるとされていますが、皮膚炎を起こしたり、口にすると胃腸炎を起こすなどの激しい作用があります。
成分
テルペノイド類のヘレダゲニン、サポニンの他、シチグマステロール、β-シトステロール、プロトアネモニンを含みます。プロトアネモニンは、刺激性成分で皮膚や粘膜を刺激し、心臓毒です。根を日干しすることによりプロトアネモニンは無刺激結晶のアネモニンに変化します。