オミナエシ
日本、朝鮮半島、中国に分布し、日本各地の山野、林縁、半湿性草地に生える大型の多年草です。秋の七草(※)の一つに入っているのでよく知られています。根茎は太く横臥し茎は直立し草丈は1m近くになります。葉は対生し羽状全裂しています。花期は8~10月で、黄色い小さな花を散房状につけます。日本では古くからオミナエシ又はチメグサと呼んでいましたが、中国から漢字が入ってきてからは、敗醤の字が当てられました。乾燥させると僅かですが醤油が腐った臭いがすることから名付けられています。「万葉集」や菅原道真の撰とされる「新撰万葉集」の下巻(一説には別人の撰ともいわれています)にも女郎花と載っていますので、これは漢字にはない日本製の字のようです。その後の「源氏物語」の夕霧の巻にも女郎花とあります。女郎花とは、臭いが女郎の化粧のように強いという意味のようです。他にはカノコソウやオミナエシは、足の裏の臭いともいわれていますが、オミナエシ科に広く有る成分イソキッソウ酸が原因です。
学名
Patrinia scabiosifolia
科名
スイカズラ科
生薬名
根⇒敗醤根(ハイショウコン)
全草⇒敗醤草(ハイショウソウ)
全草⇒敗醤草(ハイショウソウ)
利用部位
根⇒秋に根を堀りあげて水洗いし、日干しにします。
利用法
消炎、排膿、解毒、利尿に、敗醤根・敗醤総を1日量、5~10gを500~600mlの水で煎じて、3回に分けて飲みます。
効能
根と全草に腫れ物、解毒、利尿に⇒乾燥した根を2g、シャクヤク8gを水400ccで半量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用します。
成分
根にサポニンのスカビオサイドA~G、他にオレアノール酸。