サラシナショウマ

サラシナショウマ

日本全国、中国千島サハリン、カムチャッカに分布し、平地から高山までの木陰や湿地、日当たりの良い場所にもよく見られる分布範囲の広い大型の多年草です。
茎は直立し50cmほどから100cm位で、根茎は太く横に伸びて、たくさんのひげ根を出しています。葉は長い柄があり2~3回出複葉で互生しますが、小葉は卵形もしくは狭卵形で先はときに3裂して縁には鋸歯があります。花期は8月~11月頃、茎の上部で分枝し頂に長さ20~30cmの総状花序をつけ、短い柄のある白色の小花を穂状に密生します。白い花に見えるのは、多数の雄しべで花弁と萼は目立ちません。近縁種にはオオバショウマやイヌショウマがありますが、いずれも升麻として薬用にされています。国産のサラシナショウマが品薄となり代替として朝鮮半島産や中国産のフブキショウマC.dahuricaが生薬・北升麻ホクショウマとして用いられています。
春の若葉は、1~2日程清流に晒しアク抜きしてから茹でて山菜として食べられます。このことから“晒し菜升麻”の名になっています。
海外では近縁種のブラックコホシュCimicifuga racemosa が用いられますが、ブラックコホシュに関しては平成18年、厚生労働省から「使用に関する注意喚起」がだされていますので参考にしてください。

学名

Cimicifuga simplex

科名

キンポウゲ科

生薬名

升麻(ショウマ)

漢方

乙字湯

利用部位

根茎

利用法

根茎⇒10月~11月に根茎を掘り採って水洗いしながらひげ根を除いてから日干しします。
熱性頭痛、咽喉腫瘍⇒升麻一日量3~5gを水400~500mlで煎じて、3回に分けて服用します。
強肝、解毒⇒升麻一日量20gを水400mlで半量になるまで煎じ3回に分けて服用します。
口内炎、扁桃腺⇒煎液でうがいします。
あせも⇒適量を煎じ煎液で患部を洗います。
いぼ痔、切れ痔⇒乙字湯:(当帰6g、紫胡5g、黄吟3g、甘草2g、升麻2g、大黄1g)を一日量として、400ccの水で半量になるまで煎じて一日3回に分けて空腹時に服用します。

効能

風邪の発汗、解熱、いぼ痔、切れ痔、口内炎、扁桃炎に。

成分

根茎にトリテルベノイド:シミゲノール、苦味クマリン。

お問い合わせ先

東邦大学薬学部付属
薬用植物園

〒274-8510
千葉県船橋市三山2-2-1
TEL:047-472-1349


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