サルナシ

サルナシ

北海道から九州まで全国の山地に生える雌雄異株か雌雄雑居性の蔓性落葉木本で、朝鮮半島、中国、サハリンに分布しています。他の木に絡みついて伸び、30mになるのもあります。茎の若いときは軟毛を密生していますが成長すると無毛となります。成長した樹皮は不規則に割れ、ブドウの幹に似ていて、太いのは径10cmほどになります。葉は楕円形から広卵形の長さ6~9cm、幅5~9cmで、縁には細かい鋸歯があり、互生しています。花期は5~7月、白色で5弁花を下向きにつけます。雌花は1個ずつつけますが、雄花は数個群がってつけます。果実は、キウイを小さくしたようですが、緑色で無毛、味はキウイと同じです。 蔓は大変丈夫で、腐りにくいので、吊り橋を作る材料に用いられており、徳島県の“粗谷の蔓橋”は有名です。 山の果物の中では一番美味しく猿も好んで食べるから、というのが名前の由来です。

学名

Actinidia arguta

科名

マタタビ科

生薬名

猿梨(サルナシ)

利用部位

蔓、樹皮、果実

利用法

利尿に。蔓⇒必要時に採取。太い蔓地上30~50cmで切り、切り口の下の方に容器を当てて樹液を採ります。採った樹液、一回量30~50ccを服用します。
樹皮⇒陰干しした樹皮10~15gを水600ccで煎じ、一日3回に分けて服用します。
滋養強壮、解熱に。果実⇒ビタミンCを多く含むので、風邪気味の時に生食。果実酒には、熟す少し前の果実を広口瓶の半分くらいにホワイトリカー(25度)を瓶の片内まで入れ、グラニュー糖を加え、冷暗所で保存します。
⇒大変丈夫で腐りにくいので、吊り橋の材料に用いられています。

効能

利尿、滋養強壮に。

成分

ビタミン、果糖、ペントーズ、アラビノガラクタン、ペクチン、タンパク質分解酵素など。

お問い合わせ先

東邦大学薬学部付属
薬用植物園

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