トウゴマ

トウゴマ

トウゴマは一属一種でインド、小アジア、北アフリカ原産の温帯では一年生草本植物。
熱帯では多年草で木質化して、6mを超える高さになることがある。 
茎は直立し、まばらに枝分する。葉は互生で掌状5~11中裂する。花は、円錐花序で下部に雄花、上部に雌花と密に咲き分ける。 
日本には9世紀ごろに中国から渡来したので唐胡麻という名になった。 
種子の大きさは15mm、直径8mmほどの扁平楕円体。この種子を圧搾して得られた脂肪油を生成したヒマシ油を薬用として使用する。刺激性の下剤として使用されるが、副作用があるので医師の指示がない場合には使用しないこと。
ヒマシ油は他に工業用品として潤滑油や石鹸、プラスチック、塗料、ワックスや香水などの原料にも使われている。
花や若芽、茎が赤い「ベニヒマ(アカトウゴマ)」は、生花の花材やガーデニングなどにも使用されている。
 
※温暖化のためか2023年の冬に東邦薬草園では越冬しました。(2024年7月現在)

学名

Ricinus communis 

科名

トウダイグサ科

生薬名

蓖麻子(ヒマシ)、蓖麻子油(ヒマシユ)

利用部位

種子、種子からとった脂肪油

利用法

夏に成熟種子を採集し、3~5日間日干しにして圧搾して得た脂肪油を使用。脂肪油1回量15~30gを、そのままかコーヒーや牛乳などの飲料に混ぜて服用する。

効能

血圧降下、常習便秘、食中毒、急性胃炎

成分

脂肪油、リノール酸、ステアリン酸、リパーゼ、グロブリン、グルコプロテイン、リシン、リシニン

お問い合わせ先

東邦大学薬学部付属
薬用植物園

〒274-8510
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