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水澤玲子 「伊豆諸島に自生するクサギ属2種(Clerodendrum truchotomum and C. izuinsulare)の訪花昆虫と花形態の関係」

クサギ(C. trichotomum)は北海道から沖縄まで広く分布する落葉小高木です。夏になるとアゲハチョウやスズメガの仲間など、多くの昆虫が蜜を求めて花を訪れます。このとき雄蕊(おしべ)の先端が昆虫の体に触れて花粉がつきます。この昆虫が別のクサギを訪れたときに、体についたさっきの花粉が次の花の雌蕊(めしべ)について受精し、実ができます。クサギに限らず、きれいな花を咲かせる多くの植物は昆虫に花粉を運んでもらうことで子孫を残しています。
伊豆諸島にはクサギのほかに、よく似たシマクサギ(C. izuinsulare)という植物が生育していますが、シマクサギの雄蕊はクサギよりも1センチ以上も短いのです。シマクサギは伊豆諸島と伊豆半島にしかありません。私は「クサギが伊豆諸島に分布を拡大したとき、ある島には体の小さい昆虫しかいなかったので雄蕊が短くなり、それが原因でシマクサギへと種分化したのではないか。」と考えました。 この考えを確かめるためにまず、花を訪れる昆虫と雄蕊の長さの間に何か関係があるかどうかを伊豆諸島で調べています。
シマクサギの花で密を吸うモンキアゲハ
シマクサギの花で密を吸うモンキアゲハ
調査地:伊豆諸島

水澤玲子

所属

  • 日本生態学会