Measurement of juvenile dispersal of Trapdoor Spider,Latouchia typica
中西亜耶 「キシノウエトタテグモの仔グモの移動分散距離の測定」
キシノウエトタテグモは地面に穴を掘り、入り口に片開きの扉をつけた巣を作る地中棲のクモです。千葉県レッドデータブックではBランク(要保護生物)とされていますが、東邦大学構内には比較的多く生息しています。私はキシノウエトタテグモの仔グモが親の巣からどのくらいの距離を分散するのかということに興味をもったため、現在仔グモにマーキングをして、分散距離を知ろうと試みています。
キシノウエトタテグモ仔の粉末蛍光顔料による標識
調査地:東邦大学習志野キャンパス構内です。学校の中で地べたにはりついて調査している人がいたら多分私です。怪しいかもしれませんが、不審者ではないです。
中西亜耶
略歴
- 市川市立市川小学校卒業
- 明星学園中学校卒業
- 北豊島高等学校卒業
業績
- 中西亜耶 ダストマーキング法のクモへの応用.2007.4.15.東京蜘蛛談話会総会、東京環境工科専門学校、東京都渋谷区
- 中西亜耶 キシノウエトタテグモの仔グモの分散.2007.11.25.東京蜘蛛談話会例会、東京環境工科専門学校、東京都渋谷区
- 中西亜耶・仲條竜太.2007.徳島県伊島のクモII.KISHIDAIA,93.
メッセージ
キシノウエトタテグモは扉をたてて穴の中に住んでいます。無理やり扉を開けようとすると中から引っ張られて開けられないこともあります。そんな様子からひきこもりのクモなどとも言われます。なんとなくネガティブなイメージです。しかしひきこもりのどこがいけないのでしょうか。キシノウエトタテグモの巣は中が全て糸で裏打ちされています。扉は素晴らしいカモフラージュがなされており、パッと見ただけではわかりません。彼女たちは匠なのです。私たちは敬意を表して彼女たちを呼ぶべきなのです、ひきこもりグモと。
2007年度
- 栗山武夫 「オカダトカゲの色彩パターンの進化」
- 武田広子 「コウノトリの採食行動」
- 鈴木俊貴 「鳥類における音声コミュニケーションと認知的発達」
- 五味真人 「トンボ類幼虫の高温耐性」
- 仲條竜太 「同地域に生息する5種のハシリグモの生活史」
- 深澤 悟 「伊豆諸島の筒営巣性ハチ類の群集構造」
- 水澤玲子 「伊豆諸島に自生するクサギ属2種の訪花昆虫と花形態の関係」
- 高橋洋生 「トカゲ類の採餌行動・対捕食者行動、生物間相互作用」
- 庭野 裕 「千葉県丘陵地域におけるニホンアカガエルとヤマアカガエルの生活史」
- 藤田 薫 「伊豆諸島とその周辺本土におけるヤマガラの集団構造」
- 一條さくら 「徳島県伊島における巨大化したニホンヒキガエルの生態」
- 清水 謙 「無尾両生類における跳躍力の温度依存性」
- 住谷実紗子 「有尾両生類の遊泳速度の温度依存性と温度選好性」
- 竹田祐輝 「クツワムシの高温耐性と都市部への進出」
- 高城 満 「オカダトカゲの捕食回避に関する学習」
- 中西亜耶 「キシノウエトタテグモの仔グモの移動分散距離の測定」
- 吉村理貴 「哺乳類におけるヤマアカガエル捕食者の特定」
- 工藤芳文 「里山の人間活動による生物多様性の維持」