加賀山翔一
「淡水性カメ類に見られる棲み分け様分布と広域分布種の保全管理戦略」
テーマ1 : 棲み分け様分布形成過程の復元
在来種であるニホンイシガメは主に山麓部, 外来種であるクサガメやミシシッピアカミミガメは主に平野部に生息する傾向にあります. なぜ, 種により異なる分布パターンが見られるのでしょうか. これらカメ類に見られる「棲み分け」様の分布パターンが形成されたプロセスを環境適応と種間相互作用の両点から理解し, 保全管理に活かしていくことが目標です.
テーマ2 : 広域的生息状況把握と広域分布種の保全管理戦略
日本広域において在来種が減少し, 外来種が拡大傾向にあります. これら広域に分布する生物の効果的な保全管理を目指す上で, 対象種の生息状況を広域的に把握するとともに, 対策地域の優先順位付けを行うことが重要になります. 現在、私は天気予報のように生物の生息状況を広域的に予測していくアプローチを用いて, 全体像を把握するとともに、第一に対策を講じるべき地域をあぶりだし, 対策の効率化を目指して研究を進めています.