トップページ >
お問い合わせ・連絡先
東邦大学理学部
生物学科
分子発生生物学研究室
村本哲哉
〒274-8510
千葉県船橋市三山2-2-1
Tel: 047-472-5165
お知らせ(2025/1/15)
オプトジェネティクス技術で細胞内シグナル伝達を操作
細胞内シグナルの周波数選択的な転写因子の振る舞いに新たな洞察
生命現象を光で操作するオプトジェネティクス技術を駆使して、細胞内で周期的に発生する化学信号の周波数が、転写因子を介した遺伝子発現制御やその後の細胞運命決定プロセスをどのように制御するかを実証しました。

発表内容
今回の研究では、光刺激でcAMPを制御可能なオプトジェネティクス技術を使用し、細胞性粘菌のcAMP信号の周波数を操作しつつ、顕微鏡下で細胞や分子の挙動を同時にモニタリングすることに成功しました。その結果、cAMP信号が6分周期よりも4分周期で細胞集合の効率が向上することを見出しました。一方で、cAMP信号を遺伝子発現へと変換する転写因子GtaCの応答は、6分周期から4分周期への変調で低下することが分かりました。これらの結果は、cAMP信号のリズム変調が、細胞・分子レベルの「周波数フィルター」のような機能によって情報処理されることを実証しています。

Optogenetic control of cAMP oscillations reveals frequency-selective transcription factor dynamics in Dictyostelium
【著者】
Yamashita K, Shimane K, Muramoto T.
【掲載誌】
Development
152, dev204403. (2025)
152, dev204403. (2025)
プレスリリース
オプトジェネティクス技術で細胞内シグナル伝達を操作
~ 細胞内シグナルの周波数選択的な転写因子の振る舞いに新たな洞察 ~