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研究紹介
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東邦大学理学部
生物学科
分子発生生物学研究室
村本哲哉
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研究紹介
光操作技術を用いた形づくりの理解

細胞性粘菌(Dictyostelium discoideum)は、環境中の栄養源が枯渇すると単細胞アメーバから多細胞集団へと移行するユニークな生物として知られています。この細胞集合プロセスでは、周期的に濃度変化するcAMP信号が細胞間コミュニケーションを担い、中心的な役割を果たします。光刺激でcAMPを制御可能なオプトジェネティクス技術を使用し、細胞性粘菌のcAMP信号の周波数を操作しつつ、顕微鏡下で細胞や分子の挙動を同時にモニタリングする研究を行っています。
転写のイメージング解析

遺伝子がはたらく瞬間はどのように起きているのでしょうか?この研究では、DNAがRNAに転写される瞬間を長時間にわたって観察するためのイメージング技術を開発しました。その結果、転写が一定ではなく、断続的に「パルス状」で発生するという現象を発見しました。この技術により、すべての生物に共通する基本的な生命現象である「DNAからRNAへの転写」の仕組みを可視化することができたのです。なお、この研究成果の一部は、高校生物の教科書にも取り上げられています。
転写因子のシャトリング

生物の発生や分化の過程では、遺伝子発現が正確に調節されることが不可欠です。この調節の一端として、私たちは細胞集団全体で約6分の周期性を持つ転写制御のしくみを明らかにしてきました。この現象では、転写因子が細胞内で特定の場所へ移動したり戻ったりする「局在変化(シャトリング)」が起きています。こうした振動的な遺伝子発現の調節は、例えば、概日時計(生物の体内時計)や、胚発生時に体節の形成を制御する「分節時計」においても重要な役割を果たしています。
DNA損傷応答と細胞周期の進行

DNA損傷応答の研究では、モデル生物を用いた遺伝学的アプローチが多くの普遍的なしくみを解明してきました。しかし、酵母など単純なモデル生物には、ヒトのDNA修復に関わる重要な修復経路の一部がが存在していません。一方で、細胞性粘菌はヒトと共通する修復経路を数多く保存しており、DNA修復メカニズムを解析できる有力な代替モデルとなります。我々は、DNAを核内に収納するヒストンタンパク質のセリンにADPを付加するADPリボシル化修飾が、DNA修復や細胞周期進行の制御に関与していることを明らかにしました。この地検は、がん発症メカニズムの理解やDNA修復経路の解明につながると期待されます。
ゲノム編集のツール開発

上記のようなイメージング技術を実現するためには、高効率で高精度のゲノム操作技術が欠かせません。我々は、細胞性粘菌におけるゲノム編集を世界に先駆けて実現してきました。これまでに開発したツールは、ナショナルバイオリソースプロジェクト細胞性粘菌より、世界中の研究者に提供されています。

