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第1回 先端科学講座 東邦大学

「里山における生物と人の暮らしとの調和」

長谷川 雅美(東邦大学理学部生物学科 教授)

開催日時:平成211017日(土) 
講座150016:30 議論16401740

開催場所:東邦大学理学部V号館15101教室
参加者:現職教員候補者4名、学生候補者2

講座内容:地域の環境保全に関する取り組みを、千葉ニュータウンで行われている具体例をあげて紹介した。その後、学校における環境教育の問題点について議論が行われた。

生物多様性の保全と市民による里山の活動-千葉ニュータウンを例として-

 里山は、立地条件(乾燥地、湿地)と植物の遷移段階(草地、林、森林)が人工的に作り出された多様な環境で構成されているため、さまざまな生物が生息する。講義で紹介された千葉ニュータウンは、このような里山に囲まれた地域を開発したため、断片的な里山環境が残っている。断片的に残った里山環境で、ごみ拾いや竹炭つくり、酪農体験などの市民活動が行われており、環境の保全につながっている。
また、地域環境の保全活動に携わる市民の育成と、行政との関わりについても紹介がされた。ホタルや猛禽類などの指標生物を用いた自然資源の目録・地図作りを通して、どの地域を重点的に保全すべきか明らかにできる環境調査員の養成を行った例や、行政施策を把握することの重要性に関する理解を深めた。

ディスカッション

 それぞれ異なる地域、環境で教育を実践している現職教員から、それぞれの自然資源を用いた教育に関して、以下の意見や質問があった。

①生物を用いた環境教育の工夫
生物を採集し名前を同定して終わるのではなく、生物の体の構造や行動を観察する授業の方が生物名を覚えやすく、生物に対する興味を持ってもらうことができる。

②昆虫などの動物が苦手な生徒に教えるのは困難
昆虫などの生物が苦手な生徒が多いため、生物を用いた環境教育を展開することが難しい。

③里山の保全はどの程度まで行えばよいのか
里山は人による破壊的な資源の利用ではなく、持続可能な資源の利用の場である。それぞれの異なる環境を持つ地域での保全活動は、周りの環境を知ることからはじめたほうがいいという回答が講師からなされた。

④理科教育をする自信がない
小学校の教員は文系出身者が多く、理科のような専門的な知識を必要とする教科を生徒に指導する自信がない。この質問に対して、コア・サイエンス・ティーチャー養成プロジェクトが支援する仕組みを作れないか、議論となった。CSTになった後に、CSTの教員ネットワークをつくり意見や開発した教材を共有する機会をつくってはどうかという意見が出された。