拠点校における実践力養成(八千代市立村上東小学校)
実習生:東邦大学理学部生命圏環境科学科4年生
実習期間:平成21年11月から平成22年3月 (計11日)
実習時間:8:30-12:00
理科の実験の補助
小学校4・6年生を中心に理科の実験で機器の準備や試薬の調整、実験中の作業の補助と安全管理を行い小学校の理科の実験の方法と内容を学ぶことができた。
実験例1)月の満ち欠け(小学校4年生):月の満ち欠けの様子を光源(太陽)・自分(地球)・手に持った球(月)を用いたモデルで生徒に体験させた。内容のデモンストレーションとして生徒に学生候補が自ら説明した。
実験例2)からだの仕組み(小学校6年生):筋肉や関節が体の動きにどう関係するのかを、段ボールを用いた体験により生徒に学習させた。初めに教員と学生候補者が段ボールを全身にまとい体の動きに制限があることをデモンストレーションした。次に生徒に段ボールを着せて体験させた。その後、体の動きがスムーズになるためにはどのように段ボールを改造したらいいのか生徒に考えさせ、段ボールを切断させるとともにガムテープで関節を作成させることで、体の動きに関節や筋肉が重要であることを学習させた。
実験例3)水溶液の性質(小学校6年生):酸性からアルカリ性の変化をBTB溶液の色の変化により学習した。学生候補者が発展的な内容として、アルカリ性の水道水をBTB溶液に入れ青色に変化させた後、息を吹きかけて二酸化炭素を入れることによって酸性に変化させ身近な水溶液の性質を学習させることができた。
学生候補者が拠点校実習した際に感じた問題点とその改善案
実習内容が実験補助のみで理科支援員のような扱いであったため、実験以外の時間に授業見学が行いたかった。また、教員と会話する機会がほとんどなかった。ある程度、特定の教員を担当として、実験や授業のノウハウを学ぶなどしたほうがいい。拠点校側がCSTを充分に理解できていないので、拠点校が学生候補者をどのように扱えばいいのか迷いが感じられた。
受け入れ拠点校の感想
拠点校がCST学生候補者を受け入れるメリットとして、学生候補者が大学で学んだ生物学や化学の知識を活かし理科実験室の整備や準備を行ったことで、実験の円滑な進行とともに小学校の教員が理科の基礎知識を得ることができた。問題点としては、拠点校の教員がCST候補者へ接する際に理科支援員のように実験室の機器整備や実験準備や補助の依頼のみであったため、学生候補者の理科実践力の養成が十分ではなかった。次年度は教育実習のように積極的に指導をすることで改善する予定である。また、学生候補者が週1回、午前中のみの実習であったため、学生候補者と教員・生徒のコミュニケーションが不足していた。学生候補者の実習時間を拡大するなどの対応で改善できるのではないだろうか。また、学生候補者が自ら授業実践する場として放課後の理科クラブの活用などを考えている。