ホーム > 平成22年度_活動 > 032212_カメに学ぶ野外生態学

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TEL:047-472-1674

フィード生物調査

カメに学ぶ野外生態学

講師:長谷川 雅美(東邦大学理学部生物学科 教授)
日時:平成22年7月30日、31日、8月1日
場所:千葉県佐倉市佐倉西高校および手繰川
参加者:学生候補者6名

目的:身近な生態系の科学的理解を目標に、千葉県佐倉市畔田谷津を流れる手繰川に生息するカメ類の野外生態調査を行います。河川の生態系を構成する環境と生物(特に淡水性カメ類)の関係、食物連鎖からみた生物の相互関係を学習し、生態系の理解を深めます。高校生と大学生が、野外調査を通じて交流し、学習意欲の相互向上を図る。

1.里山生態系の地図作り:土地利用図の作成

クロオオアリ発見
トウキョウダルマガエル

 里山は、立地条件(乾燥地、湿地)と植物の繊維段階(草地、林、森林)が人工的に作り出された多様な環境により構成されているため、様々な生物がモザイク状に生息する。実習では佐倉西高校とその周辺の里山を76の区分に分け、それぞれの区分について土地利用(森林・畑・水田・草地・裸地・アスファルト)、地形(台地上・斜面・谷底)、指標種(クロオオアリ・コガネグモ・マルハナバチ・ニホンアマガエル・トウキョウダルマガエル・ニホンアカガエル・シュレーゲルアオガエル)を4人1組のグループに分かれて調査した。参加した学生は、里山の環境の多様性と土地利用によって生息する生物の違うことを調査を通して理解することができた。

2.淡水カメ類の生態調査-トラップによる捕獲と捕獲したカメの観察・測定・解析

トラップによるカメの捕獲
捕獲したカメの体を測定

 淡水性カメ類は本州のほとんどの河川に生息し、長寿のため長期間の河川環境調査の対象として、あるいは環境教育の教材として非常に有用な生物種である。しかし、野外で実際にカメ類と接した経験のある人は意外と少なく、また、生態学的な調査は数少ない河川において行われてきたにすぎない。

 実習では生態学的カメ類の捕獲方法から、捕獲したカメ類の種同定、測定方法、解析方法を受講者が体験することで、基本的な野外生物調査の方法やカメ類の特徴を理解できた。