センター開設までの歴史
東邦大学創立からの男女共同参画の歩み

大正14年
(1925年) |
帝国女子医学専門学校 創立
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大正15年 (1926年) |
帝国女子医学専門学校付属看護婦養成所 開設
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昭和2年
(1927年) |
帝国女子医学専門学校に薬学科 併設
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昭和16年 (1941年) |
帝国女子理学専門学校 開設
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昭和25年 (1950年) |
自然科学系総合大学として『東邦大学』 誕生
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昭和45年 (1970年) |
東邦大学保育園 開園
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平成20年
(2008年) |
日本私立学校振興・共済事業団 私立大学等経常費補助金特別補助事業
新規学習ニーズ対応プログラム支援に採択 事業名『女子教育の歴史と経験を生かした、女性医師への子育て経験等活用リカレントプログラム』 医学部女性医師支援室 開設 |
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平成21年
(2009年) |
文部科学省 科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」事業に採択
事業名『生命(いのち)の科学で未来をつなぐ 女性研究者への継続的支援モデル』 大森・習志野 両キャンパスに 男女共同参画推進室 開設 |
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平成22年1月 (2010年) |
病児保育室「ひまわり」 開室
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平成22年4月 (2010年) |
准修練医制度/研究支援員派遣制度/非常勤研究生制度/メンター制度等 主に女性研究者の整備を実施
医学部選択科目「男女共同参画と医療」開講 |
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平成24年9月 (2012年) |
医学部女性医師支援室と男女共同参画推進室を統合し、男女共同参画推進センター 開設
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平成27年7月 (2015年) |
文部科学省 科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ<連携型>」に採択
代表機関:千葉大学 共同機関:東邦大学、量子科学技術研究開発機構 |
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平成29年4月(2017年) |
センター名を「ダイバーシティ推進センター」に変更
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令和2年1月(2020年) |
令和元年度「千葉県男女共同参画推進事業所表彰」千葉県知事賞 受賞
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令和3年1月(2021年) |
令和2度「東京都女性活躍推進大賞」(教育分野)大賞 受賞
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帝国女子医専に始まる女性研究者の環境づくり
本学は、大正14年に女性の理科系教育の向上と健全な人間性の形成を目標に、帝国女子医学専門学校を大田区大森に創設したことが始まりである。創始者の額田兄弟が女子教育に着目した理由は,ドイツ留学中に日本の女性への自然科学教育の遅れを痛感していたこと、さらに新しい学問や事業を理解し,常に応援してくれた母を想い、女性の活動の場を広げたいと願っていたことにある。当時日本国内では昭和16年12月の日米開戦に向けて戦時色が増してきており、男子技術者の多くは徴兵や軍需工場などへ投入され、理工系の知識を持つ女性育成が急務とされたという時代的背景もあった。その後、昭和2年に薬学専門学校、続いて昭和16年に理学専門学校が開設され、女性に門戸が開かれていくことになるのである。例えば,地球化学分野で世界的な業績をあげた猿橋勝子氏は帝国女子理学専門学校第1期生である。専門領域でひたむきに成果をあげることで周囲を納得させ、後進の女性研究者が活動しやすい環境をつくりあげていった女史の姿勢や額田兄弟の母への願いは、今日の男女共同参画の考え方の軸となる「働く女性がイキイキと活躍できるような支援」に受け継がれている。
女性医師支援室の開設
子育てと仕事の両立を目指す女性医師の環境整備の実現化を目的として、平成18年度より文部科学省などの補助金への申請が開始された。数回の応募を重ね、平成20年に私学共済日本私立学校振興・共済事業団新規学習ニーズ対応プログラム支援に採択され、女性医師支援室が開設される運びとなった。室長には、申請書の執筆者の一人である片桐由起子准教授(現男女共同参画推進センター長)が就任した。支援室は、「ALL OR NON」の原理、すなわちみんなと同様の勤務ができなければ臨床現場を去るという二者択一の選択肢、ではなく、「ALL」ではなくても働ける柔軟な勤務体制を目指し、学内制度を刷新した。女性医師支援室が直接携わった特筆すべき支援体制として、准修練医制度がある。この制度は、子育てや介護等の理由によりそれまでと同様の勤務内容では勤務を続けることが困難な医師のために設けられた短縮勤務である。こうした制度を利用すれば、たとえ階段を上るスピードがゆっくりになる時期があっても、絶えず学び続け経験を積み重ね、ステップアップができるのである。一方で、支援室は、この制度を当然の権利として利用するのではなく、同僚医師への配慮を忘れず、やがて自らも支援する側になり、その姿を後輩に示すことで以後に続く女性医師のロールモデルの構築につながるようにと喚起する。支援された体験が次世代の支援を形成する礎となり、支援が連鎖となって持続・拡大していく仕組みである。
男女共同参画からダイバーシティへ
女性医師支援室が開設された平成20年度は、本学の女性支援が再度注目を浴び、活発化した転換期である。ちょうどその頃、理・薬学部のある習志野キャンパスでは全学的女性研究者支援事業への挑戦が持ち上がっていた。男女共同参画を全学に浸透させていくためには、習志野と大森という離れたキャンパス間の連携は必須であり、全学が協力して申請した結果,平成21年に文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」事業に採択され、以後名実を伴う全学的推進体制は本学の男女共同参画を推進することになった。本学は全学的推進体制を特徴に、取組みを進め、研究支援員派遣制度や理科実験教室なども積極的に行ってきた。特に医系・看護系の取組みでは斬新な発想から生まれた取組みが多く、勤務上の制度変更を伴った支援制度である准修練医制度、全国でも先駆的な病児保育室ひまわり、看護師を研究者として支援する非常勤研究生制度、さらに、医学部1-4年生を対象とした講義「男女共同参画と医療」などさまざまな企画を実現してきた。
文部科学省の補助金事業終了後も、男女共同参画の施策は柔軟に形を変えながら発展している。そして,27年度からはさらに発展してダイバーシティ事業が開始されようとしている。
文部科学省の補助金事業終了後も、男女共同参画の施策は柔軟に形を変えながら発展している。そして,27年度からはさらに発展してダイバーシティ事業が開始されようとしている。