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ダイバーシティ推進センターのあゆみ

帝国女子医専に始まる女性研究者の環境づくり

本学は、大正14年に女性の理科系教育の向上と健全な人間性の形成を目標に、帝国女子医学専門学校を大田区大森に創設したことが始まりである。創始者の額田兄弟が女子教育に着目した理由は、ドイツ留学中に日本の女性への自然科学教育の遅れを痛感していたこと、さらに新しい学問や事業を理解し,常に応援してくれた母を想い、女性の活動の場を広げたいと願っていたことにある。また、当時日本国内では日米開戦に向けて戦時色が増してきており、男子技術者の多くは徴兵や軍需工場などへ投入され、理工系の知識を持つ女性育成が急務とされたという時代的背景もあった。その後、昭和2年に薬学専門学校、続いて昭和16年に理学専門学校が開設され、女性に門戸が開かれていくことになるのである。例えば、地球化学分野で世界的な業績をあげた猿橋勝子氏は帝国女子理学専門学校第1期生である。専門領域でひたむきに成果をあげることで周囲を納得させ、後進の女性研究者が活動しやすい環境をつくりあげていったのである。また、額田兄弟の母への願いは、今日の男女共同参画の考え方の軸となる「働く女性がイキイキと活躍できるような支援」に受け継がれている。
女性医師支援室の開設 

 子育てと仕事の両立を目指す女性医師の環境整備の実現化を目的として、平成18年度より文部科学省などの補助金への申請が開始された。そして、平成20年に私学共済日本私立学校振興・共済事業団新規学習ニーズ対応プログラムに採択され、女性医師支援室が開設された。室長には、申請書の執筆者の一人である片桐由起子准教授(現:教授、ダイバーシティ推進センター長)が就任した。支援室は、「ALL OR NON」の原理、すなわちみんなと同様の勤務ができなければ臨床現場を去るという二者択一の選択肢ではなく、「ALL」ではなくても働ける柔軟な勤務体制を目指し、学内制度を刷新した。女性医師支援室が直接携わった特筆すべき支援体制として、准修練医制度がある。この制度は、子育てや介護等の理由によりそれまでと同様の勤務内容では勤務を続けることが困難な医師のために設けられた短縮勤務である。この制度を利用し、たとえ階段を上るスピードがゆっくりになる時期があっても、絶えず学び続け経験を積み重ねれば、ステップアップが可能となる。一方で、支援室は、この制度を当然の権利として利用するのではなく、同僚医師への配慮を忘れず、やがて自らも支援する側になり、その姿を後輩に示すこと。これにより、以後に続く女性医師のロールモデルの構築につながるようにと喚起してきた。支援された体験が次世代の支援を形成する礎となり、支援が連鎖となって持続・拡大していく仕組みである。
男女共同参画推進室の開設 

 女性医師支援室が開設された平成20年度は、本学の女性支援が再度注目を浴び、活発化した転換期である。ちょうどその頃、理・薬学部のある習志野キャンパスでは全学的女性研究者支援事業への挑戦が持ち上がっていた。男女共同参画を全学に浸透させていくためには、習志野と大森という離れたキャンパス間の連携は必須であり、全学が協力して申請した結果,平成21年に文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」事業に採択され、以後名実を伴う全学的推進体制は本学の男女共同参画を推進することになった。本学は全学的推進体制を特徴に、取組みを進め、研究支援員派遣制度や理科実験教室なども積極的に行ってきた。特に医系・看護系の取組みでは斬新な発想から生まれた取組みが多く、勤務上の制度変更を伴った支援制度である准修練医制度、全国でも先駆的な病児保育室ひまわり、看護師を研究者として支援する非常勤研究生制度、さらに、医学部1-4年生を対象とした講義「男女共同参画と医療」などさまざまな企画を実現してきた。  文部科学省の補助金事業終了後も、男女共同参画の施策は柔軟に形を変えながら発展していった。
ダイバーシティ推進への発展 

 初代のセンター長には中野弘一教授が就任し、翌年(平成25年)から片桐由起子准教授(現:教授、ダイバーシティ推進センター長)が就任した。この年から、男性も各種支援制度を利用可能になり、出産・子育ての支援に介護も加わった。また、佐倉市から委託をうけた病児保育室スマイルを佐倉病院に開設した。(平成31年閉室)  平成27年、千葉大学、放射線医学総合研究所(現:量子科学研究所)と連携し、文部科学省ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(連携型)に採択された。以降6年間連携活動を行い、様々な女性上位職増加のための支援策を講じた。平成29年には、男女共同参画推進センターをダイバーシティ推進センターに変更した。このような活動が社会的にも評価され、令和元年度には千葉県男女共同参画推進事業者表彰の千葉県知事賞を受賞、令和2年度には東京都女性活躍推進大賞の教育分野で大賞を受賞した。  令和3年からは、これまでの支援対象を男性育休、LGBTQ、障がいを持つ方への支援へと広げ、多様な働き方・学び方を支援する組織として現在に至っている。

お問い合わせ先

東邦大学 
ダイバーシティ推進センター

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